コラムバックナンバー
Option合同会社 柳井 隆道
発信元:メールマガジン2021年2月10日号より
「サードパーティcookieの廃止へのスケジュールと置き換え技術 (1)」より続きます。
Chromeのサードパーティcookieの置き換え技術について、以下を紹介します。
– オーディエンスリスト、リマーケティングリストを作る
– コンバージョン計測
■オーディエンスリストを作る:FLEDGE
従来はブラウザからIDと行動履歴をサーバに送り、サーバで行動履歴からIDのリストを作っていました。このIDの同一性を保つのにcookieが使われていたわけです。
FLEDGEではIDと履歴をやり取りするのを廃止し、インタレストグループという単位でやり取りすることになります。ブラウザ内で、各ユーザを、個人を特定できないある程度の人数をもつインタレストグループに分類します。このインタレストグループが従来のオーディエンスリストと同じ役割を果たすのですが、リストの生成がサーバでなくブラウザで行われるのです。そしてそのグループ単位で広告の入札が行われるのですが、この入札もブラウザ内で行われます。
以下のページに広告配信の仕組みの詳細が説明されています(高度なアドテクの話になりますが)
今年後半にorigin trialsで公開テストできるようにするということで、他のAPIに比べると遅めの対応になっています。
■コンバージョン計測
– Event Conversion Measurement API
広告のリンクに、コンバージョンをカウントする対象サイトやカウントする期限などの情報を付加します。そしてコンバージョン発生時にコンバージョンピクセルを呼び出すと、広告リンククリック時の情報と結合されて計測サーバに送られる仕組みです。
詳細は以下のページで説明されています。
A more private way to measure ad conversions, the Event Conversion Measurement API
この機能は現時点のChromeですでに公開テスト中です。
– Aggregated Reporting API
Event Conversion Measurement APIだとラストタッチのクリックスルーコンバージョンしか対応しないのですが、これをビュースルーコンバージョンやアトリビューションに拡張させるために匿名性を持たせつつ計測サーバに送るデータ量を増やすのがAggregated Reporting APIです。
詳細は以下のページで説明されています。
Conversion Measurement with Aggregation Explainer
重要なのはPrivacy Sandboxの試みというのは、cookieにIDを記録して利用するという個人を特定する機能は排除したうえで、それぞれのイシューを解決しようとしていることです。FLoCもFLEDGEもこれまでサーバにIDを集め、サーバ内処理で表示させる広告を決めていたのを、一部デバイス内処理にすることでサーバにIDを送らないようにする仕組みです。
来月にリリースされるChromeのバージョン89でテスト用(特定の環境でのみ有効になる)にいくつかの機能が搭載されます。このスケジュールを見ると、もしChromeがすべての代替技術をリリースしてからサードパーティcookieをブロックするつもりなのであれば、実際に使えなくなるのは今年の後半になると考えられます。
ここで留意しておくべきことは、これらの技術はあくまでGoogleが新しいガイドラインとして提案してChromeに搭載しようとしているだけで、iOSで採用されるとは限りません。また、すでにMacのSafariとiOSのすべてのブラウザではデフォルトでサードパーティcookieがブロックされている点も忘れてはなりません。つまりiOSでは現在広告の表示と成果計測が不完全なデータになっており、今後もそれが続く可能性が高いのです。
東京大学を卒業後、webマーケティングやサービス企画、システム開発などに従事。
デジタルマーケティングの世界に落ち着き、事業会社、広告代理店を経て2014年に独立。
現在は大小さまざまの事業会社、広告代理店などに対して、テクノロジー観点からデジタルマーケティングの支援を行っている。データ計測の設計、実装から分析、マーケティングオートメーションや広告運用などの施策との連携まで扱う。
さまざまな規模の経験から、企業の身の丈にあったデジタルマーケティングの企画に強い。フリーランスで活動していたが、2017年から法人化。
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