コラムバックナンバー
Option合同会社 柳井 隆道
発信元:メールマガジン2020年12月16日号より
Google アナリティクス 4で新たに「エンゲージメント」という言葉が導入されました。GA4の中での扱いというのは厳密に決まっておりまして、まずセッションに対して、エンゲージメントが発生したかどうかの基準があります。
>10 秒を超えて継続したセッション、コンバージョン イベントが発生したセッション、または 2 回以上のスクリーン ビューもしくはページビューが発生したセッションの回数。
引用:セッションの計算 – アナリティクス ヘルプ
これとは別にページ/スクリーンに対するエンゲージメントというのも定義されており、こちらはエンゲージメント時間という形で計測されます。GA4はウェブだけでなくアプリも計測対象で、アプリのエンゲージメントの定義はアプリがフォアグラウンドである時間です。ウェブのエンゲージメント時間は明確に定義されているわけではありませんが、同様のものであると考えられます。こちらはメニューの「エンゲージメント」>「ページとスクリーン」から参照できます。
参考 Analyzing Reports in the new App + Web Property – Digital Debrief
以前からAdobe Analyticsにはありましたが、Google アナリティクスにもエンゲージメントという考え方が導入されたわけです。なのですがAAとGAではエンゲージメントの意味が違いますし、本来エンゲージメントというのはもっと幅広い概念で、顧客行動文脈ではあなたのウェブサイト/アプリケーションの目的と行動パターンに基づいて決められるものです(「従業員エンゲージメント」などになるとまた定義が変わりますが)。
Googleがよくあるウェブ/アプリの行動パターンに基づいてそれなりに汎用的な定義を提供してくれているだけなのです。Googleはアナリティクスのヘルプページでサイトの種類ごとのエンゲージメントとなる行動の例を挙げています。
エンゲージメント: 定義 – アナリティクス ヘルプ
いろいろあります。重要なのは事業者がエンゲージメントの具体的な定義を自分で考えることなのです。思考停止したまま人が作った定義をそのまま使うことではありません。
本来であればカスタマージャーニーやコンセプトダイアグラムを作り、訪問者の行動とページの役割を定義するのが望ましいのです。しかしそんなに大それたものでなくても、まずどのような行動を訪問者に期待するのかを定義し、実際に訪問者がどのように行動しているのかをデータを見て照らし合わせる。そしてどのような行動をエンゲージメントとして扱うのかを決める。新規サイトの場合はデータがないので、まず仮説だけで進める。データがたまってきたらそれを検証し、必要に応じて修正するのでいいのです。
これはエンゲージメントに限らず計測設計の第一歩です。そこでマイルストーンになる行動をカスタムイベントとして設定する。GA4のカスタムイベントはそのためにあるものなのです。アプリ計測・分析の場合はこのようなイベントの考え方が当たり前ですが、ウェブの場合はそこまで一般的ではありませんでした。GA4はそういった意味でも計測・分析のあり方を見直す機会を作ってくれています。
GA4によって強制的にいろいろ考えることを求められるようになりました。このタイミングで訪問者・ユーザの行動をきちんと考えて自力で計測設計をすることをおすすめします。
東京大学を卒業後、webマーケティングやサービス企画、システム開発などに従事。
デジタルマーケティングの世界に落ち着き、事業会社、広告代理店を経て2014年に独立。
現在は大小さまざまの事業会社、広告代理店などに対して、テクノロジー観点からデジタルマーケティングの支援を行っている。データ計測の設計、実装から分析、マーケティングオートメーションや広告運用などの施策との連携まで扱う。
さまざまな規模の経験から、企業の身の丈にあったデジタルマーケティングの企画に強い。フリーランスで活動していたが、2017年から法人化。
2026/05/20(水)
セミナー「事故から学ぶ理想のGoogle タグ マネージャー運用 ― 計測トラブルを防ぐルール設計と運用の現実解」 【a2i DEEP Connection】|2026/5/20(水)
誰も全体を管理していない、複数の支援会社がそれぞれのルールで触っている、気付かないまま計測トラブルが起きている。そんなGoogle タグ マ …
2026/04/22(水)
オンラインセミナー「「AIで分析」と聞いて身構えるみなさんへ。コード不要で進める時短ウェブサイト改善」|2026/4/22(水)
「AIで分析」と聞いて身構えていませんか?まずは30秒で内容をご確認ください 「AIで分析」と聞いた瞬間、急にハードルが跳ね上がる感覚はあり …
2026/03/18(水)
オンラインセミナー「GA4×生成AIで改善提案の精度を高める ― AIから「使える施策」を引き出す実践アプローチ ―」|2026/3/18(水)
GA4によるサイト改善は、生成AIと組み合わせることで新しい段階に入りつつあります。 しかし一方で、「AIに分析させても表面的なコメントしか …
【コラム】AIで支援会社の仕事はどう変わる?──意思決定支援の超伴走型へ
アナリティクスアソシエーション 大内 範行支援会社はお役御免になるのか? 「生成AIがすごすぎて私の仕事がなくなるか不安です」 支援会社やコンサルティングのそんな声を、よく耳にするよ …
【コラム】生成AI時代だからこそ、私はペルソナを大切にしたい
株式会社A-can 白砂 ゆき子「ペルソナなんて、いらないのでは?」 最近、そんな声を聞く機会が増えました。 私がペルソナの要・不要を改めて考えるきっかけとなったのは、最近 …
【コラム】「生成AIで人員を減らせる」は本当?─デジタルマーケティング組織はむしろ強化すべき
アナリティクスアソシエーション 大内 範行デジタルマーケティングやデータ分析の仕事がどう変わるか、というのが私の今年のテーマです。それは事業会社と支援会社の関係の変化につながり、「支 …