コラムバックナンバー
Option合同会社 柳井 隆道
発信元:メールマガジン2020年11月25日号より
Google アナリティクス 4が正式リリースされて1か月ちょっと経ちました。現在進行形で機能が増強されています。ユニバーサルアナリティクスを勉強してきた人にとっては、新しいGoogle アナリティクスを勉強しなおさないといけないと悩みの種になっているかもしれません。ツールが新しくなっただけでなく、ウェブ計測・分析のフレームワーク自体が新しくなっています。ページビュー/セッションではなくイベント/ユーザ単位での分析が求められるようになりました。つまり数字の見方、分析の考え方を大きく変えることが求められるようになったのです。 他の業務もあり、片手間でウェブ行動のデータも見なければならない人にとっては負担が増えるかもしれません。そのような方にとっては不幸な変化だとは思いますし、おそらくGoogleはそういう人たちのことは考慮していないでしょう。これこそ無料だから仕方がないと考えるしかないところではあります。一方でクライアントワークのアナリストや事業会社でもウェブ分析の専任担当者として、いわばウェブ分析のプロとしてアサインされた方に対して今回はメッセージを送ります。
この秋にはGoogle アナリティクスだけでなく、Google タグマネージャーも大きく変わっています。このように新しいツールが次々に生まれる時代では人に教えてもらう、誰かが作った教材がある、そういう環境下でなければ学べない人は立場がなくなっていきます。そこでは本来の行動分析がどういうもので、そこに対してツールがどのように機能するかという視点をまず持たねばなりません。その中でマニュアル(個別機能の説明書)を参照する。機能を調べるわけです。マニュアルは具体的なユースケースに基づいて説明してくれているわけではなく、各機能の断片的な説明でしかないことも多いです。受動的な教えてもらう姿勢ではこのようなマニュアルは活用できません。あなたのやりたいこと、目的があり、それに沿ってマニュアルを読む。一般的な教材がない、現在のGoogle アナリティクス 4ではそれが求められています。それができるようになればどんな新しいツールが来ても怖くはないのです。今後はそれをできる人材が求められている。先週大内さんが触れていたGeneral Athleteの一つの資質だと思います。
Google アナリティクスもAdobe Analyticsも、ウェブとアプリの行動分析を支援するツールでしかないわけです。行動分析のために分析用の画面がある。必要に応じてログを外部に出力できる。そういったデータを集めるために計測機能がある。そこは共通です。技術的な実装方法や計測機能はツールによる違いが大きいところではありますが。Google アナリティクスといういわば一つのゲームがリセットされたわけで、自分はGoogle アナリティクスのプロなのか、ウェブ分析のプロなのか、行動分析のプロなのか。はたまた計測のプロなのか。そこの位置付けを確認するいい機会です。ユニバーサルアナリティクスではなあなあにされてきた計測設計というものが重要になりました。新しいツールが出てきて、使い方を学べる教材ができるまでは使えませんというのは計測や分析のプロフェッショナルではないということは言えます。誰にでもチャンスはあります。教材がないからこそ自分で学ぶ。差をつけるチャンスです。これを機にGoogle アナリティクスの専門家というのがいなくなり、みんなが計測や分析の専門家を名乗るようになることを期待しています。
分析について触れましたが、マーケティングオートメーション、RPA(ロボティックプロセスオートメーション)など、何であっても原理は同じです。何を実現するためのツールなのか。その文脈の中でツールを学ぶことが重要です。
東京大学を卒業後、webマーケティングやサービス企画、システム開発などに従事。
デジタルマーケティングの世界に落ち着き、事業会社、広告代理店を経て2014年に独立。
現在は大小さまざまの事業会社、広告代理店などに対して、テクノロジー観点からデジタルマーケティングの支援を行っている。データ計測の設計、実装から分析、マーケティングオートメーションや広告運用などの施策との連携まで扱う。
さまざまな規模の経験から、企業の身の丈にあったデジタルマーケティングの企画に強い。フリーランスで活動していたが、2017年から法人化。
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