コラムバックナンバー
メールマガジン2017年1月25日号より ALBERT 浜田 和美
最近レコメンド関連の業務に携わる機会が多くありましたので、改めて「レコメンデーションとは」について考えていました。広告で新規顧客を集客しコンバージョンを獲得したい時や、Web・メール・アプリ等で既存顧客に対して再購入を促したい時など、施策を突き進めて行くと顧客の刈り取り、囲い込みにフォーカスしがちですが、最適な「オススメしない」タイミングや表示方法など言わば「オススメ表示の引き算」方法にも、追究の余地があると考えています。
「オススメしない」シンプルな事例は、購入商品を表示しない手法です。
顧客の行動履歴を利用した広告(一般的にダイナミックリターゲティング広告と呼ばれることが多いです)を配信する広告主がほとんどかと思いますが、購入後一定期間広告そのものを表示しない手法を取る場合もあります。一方、不動産・求人など情報系サイトのように、複数コンバージョンが発生しても違和感のないサイトの場合、継続して追跡したい場合もあるかと思います。その際に購入・予約商品は表示から除外することで、限られた広告枠に顧客の未購入・未予約の別商品を表示することができます。
上記事例は自社内に顧客の行動ログ(行動履歴)が蓄積されているため可能な施策ですが、顧客の行動ログが分断されている場合は、同様の施策が取りづらくなります。
※クロスチャネル化/オムニチャネル化で実店舗も含めた複数チャネルのデータを統合管理する企業も増えつつありますので、自社内で分断されていた行動ログは徐々に結合していくことが期待されます。
私自身の体験談ですが、例えばCDを他サイトで購入もしくは他のCDに興味が移り、かなりの日数が経過しても、同じCDがリターゲティング広告で表示され続けるケースにチラホラ遭遇します。システム改修やリソース・コスト等の課題もありますが、サイト全体の閲覧から購入に至るまでの日数を分析し、日数を超えた場合は表示する商品を変更するもしくは追跡しないことで解決できるのではないでしょうか。複数商材を取り扱っている場合は、商材ごとに期間を分析し反映することで、さらに最適なタイミングで対応可能になるでしょう。
「オススメしない」選択肢を取るべきと理解していても、主に広告の観点で刈り取りをするために追跡し続けていたいジレンマを抱える場合もあるかと思います。その場合は「オススメする方法を変える」ことでブランド毀損や機会損失を極力することなく、オススメできることもあります。
「オススメ」と目にし、あるいは耳にすると「協調フィルタリング」や「ベイジアンネットワーク」、「アソシエーション分析」などを用いたいわゆるレコメンドエンジンそのものを思い浮かべる方が多いかと思いますが、「顧客に何かを提示(オススメ)し、最終的に買っていただく」という意味合いでは、顧客の閲覧・購買履歴やランキング情報を提示することも一種のレコメンデーションと考えられます。
提示する商品とメッセージが異なっていますと顧客に違和感を与える可能性もありますので、汎用的なタイトルを付与するもしくは、表示ロジックごとに「あなたが見た商品」「ランキング」などと変えるなど見せ方の配慮は必要ですが、表示ロジックの掛け合わせで新鮮味のある情報をお届けできます。
レコメンドサービスが普及して長らく経ちますが、顧客に最適な情報を届けていくためのチューニングはまだまだ追究し改良する余地があると感じていますので、クライアントの皆様やクライアントの顧客と向き合いながら改善していきたいと思います。
※レコメンデーションに関してはアルベルトのコーポレートサイトに説明ページがありますので、ご参考までに紹介いたします。
レコメンデーションとは
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