コラムバックナンバー
メールマガジン2017年1月11日号より Rejoui 菅 由紀子
2016年は「人工知能/AI」がバズワードとなり、大きく取り沙汰された1年でした。過去の様々なワードが話題となったとき以上に、世間の期待が先行し言葉に対する誤解が著しいと感じることが多くありました。それらについては昨年末、ガートナージャパンから非常によく整理された情報がリリースされていました。ご覧になった方も多いかと思いますが、改めてご紹介しておきます。
ガートナー、人工知能 (AI) に関する10の「よくある誤解」を発表特に「誤解2:IBM Watsonのようなものや機械学習、深層学習を導入すれば、誰でもすぐに「すごいこと」ができる」は、人工知能に限らず過去に取り沙汰された様々なテクノロジーに対する誤解と似た側面があります。反対に、これらの誤解が何故生じるのか、誤解なく「人工知能」を捉えておくことは現代を生きるビジネスパーソン、とりわけデータ活用に携わる者にとっては非常に肝要なことであると感じています。
さて、このように様々なムーブメントが生まれてくる昨今ですが、私個人は「企業によるデータの開示」に大きな期待を寄せています。取得データを企業がAPIのように誰でも活用できるよう公開する、というイメージです。公共データの活用であるオープンデータとは異なり、それらを活用してきた企業や組織が自ら取得したデータを公開する、というものです。
改めて真のビッグデータ活用ということを考えたとき、ビッグデータの3V・4V(Volume/Variety/Velocity/VeracityまたはValue)に挙げられるような規模とリアルタイム性、そして価値あるデータは、現在「元は(オープンデータなどの)データを活用して様々な便利なサービスを提供しようとしていた企業や組織」に、集まっているはずです。
たとえば位置情報を活用するサービスを提供するアプリの提供元には、位置情報は当然ですが利用者の様々な情報が蓄積されています。位置情報の活用自体は「データの活用」とか「ビッグデータの活用」と呼ばれていたと思いますが、それはそのサービスの利便性を向上するために行われていたことです。
今度は、そのアプリで取得された様々な情報を開示していくことにより、そのアプリのサービスに限定しない、社会にとって価値のある活用方法が見いだされることになると思います。場所やスポットの過密状況、交通渋滞の予測は勿論想像できますが、発展して予測できる各種インフラの利用状況、さまざまなメリットが生まれてくると思います。他サービスのデータと組み合わせることによる活用も期待できます。
もちろん、プライバシーへの配慮や取得方法・開示方法には色々な課題があると思いますが、すでに始めようとしている企業もあります。ちょうど昨日、Uberによるデータの公開が発表され、話題となっています。
UberがMovementを発表、所有する交通情報の公開を狙う
ビッグデータという言葉自体はもはや死語かもしれませんが、こういった企業によるデータの開示は今後のテクノロジーの発展に不可欠なことであるように思います。
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