コラムバックナンバー
メールマガジン2016年12月21日号より a2i代表 大内 範行
2016年最後のa2i のメルマガコラムとなりました。1年が早いです。
今年もっとも注目されたキーワードは「機械学習」でした。
a2iの2016年最後のセミナーは、アルベルト青木健児氏による「機械学習の基礎と活用最前線」でした。
機械学習の理解とデータ分析への活用事例を体系的にまとめた、とてもわかりやすい講義でした。第二回があればおすすめです。機械学習を使った予測と自動化は、来年も大きな流れになっていくと思います。クラスタリング、予測分析、広告効果の検証とリスト作成などに広がっていくでしょう。一方で、一定量のデータが必要な点、使う側にとってブラックボックスになってしまいわかりにくい(解釈性が低い)という点で、すべての人が恩恵を受けることにはなりません。
こうした分析の自動化の流れとは逆行しますが、個人的にも積極的に取り組んでみたいのが、ユーザー単位での個の深掘り分析です。
a2iのセミナーでは、データマーケターの内野明彦氏、プリンシプルの木田和廣氏が期せずして、同様のテーマをそれぞれの手法でご紹介いただきました。
お二人のセミナーでご紹介いただいた手法は、個別行動の詳細な分析でした。
CookieやCRMのIDごとに、一人一人の細かな行動、例えば訪問したページ、クリックしたボタンなど、タイムスタンプごとに、個別のユーザー行動を追っていく手法です。IDがつながれば、クロスデバイスやオフラインデータまでそのユーザー行動に寄り添うことができます。
ツールではGoogle アナリティクスに今年実装された「ユーザーエクスプローラ」、ビービットも「ユーザグラム」という製品をリリース予定で、これも個々のユーザーの動きを追うツールとして興味深いところです。Cookieとセッションの分析から、複数のIDを統合したユーザーレベルの分析へのシフトが進んでいくのは間違いありません。
木田さん、内野さんは、ツールのU/Iは使わず、いったんローデータに出力して、その上でCRMのデータとIDで紐づけをしながら、個別の行動を追っていく、という手法をとっていました。分析の柔軟性、わかりやすさを徹底的に追及するには、この方法でしょう。
この手法は新しいものではなく、何年も前からありましたが、当然、人間が確認できる絶対数には限界があり、懐疑的な意見もあると思います。目的なく個別行動を見れば、徒労に終わることがほとんどです。
それでも、この手法に改めて注目したいのは、お二人の話をお聞きし、むしろ今だから必要だと実感したからです。
機械学習とは対極ですが、分析におけるお客様の「リアルな肌感覚」を得る(解釈性を上げる)助けとして有効になると考えます。
本来はお客様が見えているリアルな店舗でさえも、その決定プロセスにモバイルのデバイスが関与しています。実際のユーザー心理と、私たちの推測の間には大きなギャップができていて、接客の最適解を取るのが難しくなっています。
そのギャップを埋めるため「リアルな肌感覚」が必要です。セグメントを絞ったうえで、デバイスを超えた行動や、CRMと統合した行動に寄り添って歩く作業は、「事実に基づくカスタマージャーニー(内野氏)」として、お客様の再発見・再確認をする大きな助けになるでしょう。
2017年は機械学習を中心とした自動化の流れ、そしてその対極にあるユーザーレベルでお客様の行動に寄り添う分析、この二つに注目していきたいと思います。
【活動報告】特別セミナー「機械学習の基礎と活用最前線」(2016/12/15)
【活動報告】特別セミナー「ユーザー単位の分析方法と先端事例」(2016/7/13)
【活動報告】特別セミナー「Google アナリティクス アドバンスド ~無料版GAでここまでできる~」(2016/10/18)
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