コラムバックナンバー
メールマガジン2016年12月7日号より ALBERT 浜田 和美
従来から位置情報を用いたサービスに対する需要は強くありましたが、近年は供給する側のサービスや企業が加速度的に増えています。
特にこの数年は広告分野において動きが活発です。今年だけでも各広告配信ベンダから多数の関連サービスがリリースされております。サイバーエージェント社は11月に位置情報を用いた広告活用に特化した専門部署を立ち上げるなど、益々位置情報サービスへの注目度が高まっております。「ジオターゲティング(Geo Targeting)」という言葉は数年前から存在はしていましたが、この2~3年で「ジオフェンシング」「リアル行動ターゲティング」などといった類似ワードや概念も発生いたしました。
「ジオフェンシング」とは、ユーザが特定エリアに入った際に自動的に特定の情報を通知する手法です。映画館に来場したユーザに対して限定特典を通知する、空港に訪れた外国人観光客に訪日向けスマートフォン広告を掲載するなどといったことが可能です。
更に特定エリアに入ったユーザのリアルタイムな行動に基づいて情報をプッシュする手法もあります。
スマートフォンの普及により、ユーザの行動履歴や位置情報がより多く取得でき多種多様なデータが多く活用できるようになってまいりましたが、データの取得方法や活用方法にはまだまだ課題があるのではないでしょうか。
今年流行した「ポケモンGO」の利用から見られるように、比較的抵抗感なく位置情報を常時ONにする機会も増えていますが、バッテリーの消費具合やプライバシー面の観点から躊躇われるといった声もあります。先程ご紹介したジオフェンシングはピンスポットにターゲティングしていく事が肝要ですが、GPSの精度に課題が残るケースもあります。精緻にフェンシングするため特定エリアにビーコンを設置する方法もありますが、ビーコンの設置費や、ビーコンを受信していただくためにユーザにBluetoothをONにしてもらう必要などの課題があります。
このようにデータ取得や活用方法に対する課題がありますが、位置情報を用いた分析ニーズは多くあります。座標だけでなく、滞在時間や速度情報などを取得して「その場所にいる目的・ライフスタイル」を見出す分析なども弊社(アルベルト)では実施しております。訪日外国人のデータを活用した分析事例ですと、滞在時間と滞在している時間帯を掛け合わせ、ユーザの滞在目的が「観光」「宿泊」なのかを分類、滞在日数がそもそも多い場合は「居住者」とみなし、分析対象から除外する対応を行いました。
位置情報を用いたデータ活用は様々な可能性がありますが、まだまだ下記のような点で改善が求められていると思います。
– データの取得方法
– 取得データを用いた施策実行までの各ルートの精度向上
– ルートの統合
これらの精度が上がれば、ユーザにとってもよりメリットを見いだせる領域だと思いますので、今後の各サービスや技術に注目していきたいです。
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