コラムバックナンバー
メールマガジン2016年9月14日号より 真摯 いちしま泰樹
オムニチャネルやO2Oといった領域のビジネスのみならず、実店舗へ来店を促すタイプのWebサイトをどうやって分析したり現状把握を行ったりするかという問題は、いまも大きい存在としてあります。Webサイトや店舗、それぞれでは多くの数値を取得できるのですが、オンラインとオフラインの間をどう橋渡しするかというところで足踏みをする企業も多いと思います。
ここでは、そういった実店舗誘導型サイトで「サイト閲覧者の来店率」「来店購入ベースのCPA」といった指標をどうやって作っていくか、KPI設計のヒントとなる仕組みを考えてみました。
当然ながら、ビジネスの事業内容そのものや組織体制、予算、アナリティクスの習熟度などによって、取り組みの可否や向き不向きはあります。また新規顧客向けのものなのか、既存顧客向けなのかによっても取り組み方が変わってきます。そのような中ですが、可能性やヒントとして参考になればと思います。
■1. Webサイトでの来店予約
来店意向を「予約」という形にてWebサイト側で受け付けるものです。わざわざここで説明しなくとも理解しやすい内容だと思います。美容院や結婚式場といったサロンモデルのビジネスや、予約中心の飲食店のWebサイトの多くで、その仕組みを取っています。電話予約の際でも、Webサイトを見たかどうかを尋ねることで、KPI設計をしやすくなってきます。
■2. Webサイトでのクーポン発行
来店意向を「クーポン」という強いメリットとしてWebサイト側で提供するものです。予約とは関係のないビジネスでも、クーポン取得者の来店計測を軸に、Webサイト利用と来店をつなげられるようになります。一方で、クーポン分の利益減少や余分なコスト負担が発生することになり、必ずしもすべてのビジネスで取り組めるものではありません。
■3. 店舗側でWebサイト閲覧を確認
店舗側で来店者や購入者に対し、Webサイト閲覧をして来店したかをお伺いするものです。現場の負担が大きくならないことが前提ですが、店舗スタッフが少しまとまった時間で対面販売する商材では十分可能な取り組みです。
この仕組みは、正確にはオンラインとオフラインは途切れています。ただ、Webサイトでは店舗地図ページ閲覧や地図リンククリックといった来店喚起ポイントをコンバージョンとして計測し、一方の店舗側で「サイト閲覧者の来店」の概数を取得することで、最終的に例えば「来店者の約何%がリスティング広告経由か」といった推測ができるようになります。そこからおおよその来店者のCPA算出も可能です。運用の体制が整えば、実現しやすい仕組みです。
■4. 「来店コンバージョン」計測の活用
Google AdWordsやFacebook広告などで、来店コンバージョンのソリューションが提供されています。利用に条件があったり、同一ビルに複数テナントが入居の場合に課題を残していたりなどありますが、広告の効果測定としては有効です。一方で、それ以外のWeb施策では計測できません。
■5. デジタルでの来店計測の仕組み整備やアプリでの会員プラットフォーム構築
予算があれば、オンラインとオフラインをつなぐ計測の仕組みを整備したり、アプリをはじめ会員プラットフォームの構築で、より精度高く状況を把握できるようになるでしょう。当然ながらその構築費用は安くはありませんし、またどちらかといえば既存顧客向けの取り組みの色も強い印象です。
以上、5つほど仕組みを挙げてみました。いずれも、すべてを包括せず正確ではない前提だったり、実情からは少し非現実的なものだったりするかもしれません。
一方で、集客コストの評価に苦慮しているところが多いのもたしかです。「どのような数値ならある程度妥当に扱えるか、どの仕組みなら可能か」を、あきらめずに議論してトライすることもやはり重要だと思います。
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