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アクセス解析ツールには、ユーザーにラベル(変数)を付けられる機能があります。Google Analyticsのカスタムディメンションや、Adobe AnalyticsのeVarがそれに当たります。ユーザーにラベルを付与するとユーザー像の理解が広がります。「あるリピートユーザーがメール経由で商品Aのページに流入した」という情報よりも、「2015年10月1日に会員登録し、直近では2016年3月1日に購入もされている女性が、メール経由で商品Aのページに流入した」という情報の方が、ユーザーの属性や行動を理解する上で非常に有益です。

加えてターゲット層が具体的になるため、より多様なターゲティングの施策の展開につなげられます。

このユーザーに付与するラベルは、整理すると以下の3種類に分類できるのではないでしょうか。

1) ステータス
2) アクション
3) 日付

ステータスは、そのユーザーの状況を示す属性です。「会員かどうか」「会員種別(スタンダード会員、プレミア会員)」「性別」など、Webサイトなどのサービスログイン時、登録時などに取得できる情報です。企業からの流入が重要なサイトであれば、IPアドレスから地域や組織情報をAPIから取得できるサービスもあります。

アクションは、重要な箇所で特定の行動を起こしたかどうかです。「資料請求をした」「購入した」「特定ページを閲覧した」「オプションサービスを申し込んだ」など、コンバージョンや重要な行動を起こしたタイミングで付与できる情報です。

日付もユーザーに付与するラベルとして重要です。「会員登録日」「資料請求日」「直近の購入日」といった特定アクションが実行された日付をラベル付けしていれば、ユーザー像の理解だけでなく、セグメントの幅がぐっと広がります。

このようなラベルがユーザーに振られていれば、分析時や施策展開時に利用できるだけでなく、定常的なモニタリングでも「先週の会員種別のユニークユーザー数とサイト利用状況」といったようなデータ取得ができるようになります。

先日、Google Analyticsで「ユーザーエクスプローラ」という新しい機能が利用できるようになりました。特定ユーザーごとに「どの順番にページを閲覧し、行動したか」を確認できる機能です。この機能を利用していて感じたのが、ユーザーにラベルが付与されていると、レポートの内容が格段に充実してユーザーをイメージしやすくなるというものでした。視界が開けた感じです。

ユーザーエクスプローラのレポートでは標準で初回訪問日が表示されていますが(ユーザーを獲得した日付)、例えばカスタムディメンションで「会員登録日」「性別」を取得していれば、それらもユーザー情報としてまとめて表示されます。レポートから得られる「初回訪問日が2015年9月1日で会員登録日が2015年10月1日の女性が、今月はこのようなサイト行動をしている」という情報は、CRM的な視点で活用できます。単にサイト内ユーザー行動を追っているのではなく、「ユーザー像がイメージできる」のです。

ユーザー行動データは量が膨大になるためすべてを把握するのがむずかしくなりますが、従来なら数字をベースにユーザーを捉えていたものを、より定性的な視点を加味して捉えられるようになりました。

ユーザーにラベルを付与すると、ユーザー像の理解が広がります。今回は新しい機能でそれを強く感じましたが、詳細な分析時やモニタリング時に視点や軸を増やしてくれます。実装には知識やシステム面でのハードルなどがありますが、ぜひ活用したいものです。

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