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2014年の末頃より、PMP(プライベートマーケットプレイス)という言葉をよく耳にするようになりました。インターネット広告の世界においては、4~5年前からRTB(Real Time Bidding)型の広告運用が主流となり、 ビッグデータの解析技術の進歩もあって広告主側/オーディエンス側ともに多くのメリットが得られるようになりました。広告主側は、決められた「広告枠」を買うのではなく、「オーディエンス」を買うという流れになったことは、皆様ご存知のとおりです。一方で、メディア・広告枠に課題のある出稿がされてしまうケースも否めないため、CPAの効率が悪くなっても、配信先が明らかであるアドネットワークを選ぶという広告主も多く存在しています。とりわけ、ブランドセーフティを求める広告主にとっては不可欠でした。そこで取り沙汰されてきたのがプライベート・エクスチェンジ、プライベートマーケットプレイスという仕組みです。

●PMP(プライベートマーケットプレイス、以下PMP)とは
PMPにおいては、広告枠の取引を行える広告主とメディアが限定されます。広告を掲載するメディアが予め明らかであるため、先に挙げたようなブランディング広告を行う広告主にとっては届けたいターゲット層に訴求できる確率が高くなります。また、 メディア側もどのような広告主なのかを把握でき、 RTBベースであれば選択肢を増やすこともできるため、非常に効率よく広告掲載を行うことが可能となります。PMPについては下記URLに詳しく解説されていますので、是非御覧ください。
PMP(プライベートマーケットプレイス)の仕組みと特徴

●アナリティクスの活かしどころ
広告主側においては、PMPで買い付けを行う前に、過去に出稿したDSPでの配信結果を分析し、効果が期待でき、かつブランドイメージを損なわない掲載面を検討し、それをPMPで買い付けるということが可能です。アナリストにとっては、掲載面を見極めるために、どのような視点で分析を行うかが腕の見せ所となるでしょう。
一方、メディア側では、PMPで買い手がつかなかった広告枠を他ネットワークに提供していくことになるため、既存の運用よりも高い広告収益をあげることが期待できます。メディア側のアナリストは、過去の出稿元の業種/業態、訴求内容などを見極め、自社メディアや掲載枠がブランディングに向いているか否かの判断を行うことが求められて来ることでしょう。

DMPの導入により、個人を特定し、オムニチャネルでプロモーションを展開するコンタクト手法は広がりを見せていますが、PMPの活用やマルチタッチ・アトリビューションの考え方を取り入れることにより、さらに個別に最適化されたプロモーションが行われるようになっています。分析者やマーケターは、取り扱うデータのバリエーションがさらに増えることになりますが、どのようなデータが取得できるのか、それぞれ同士の関係性はどうなっているのかという基本的なことをおさえておくこと、そして加速度的である広告市場の進化をおさえておくことは今後も不可欠であるようです。

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