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この数年、DMPの導入・運用のプロジェクトに多く関わって来ました。WEBサイト、メール、DM、DSP、アプリへの連携等、チャネル横断の施策展開は非常に多く行われるようになってきたと感じます。ただし、チャネル内での施策実行の効率化も継続して行うことの必要性を昨今深く感じています。私が携わったもののなかで、やはり多いのは、メールに関する課題です。「もっと効果を上げられないのか」「メールを送り過ぎではないか」などといった課題は、どのプロジェクトでも絶えず課題として挙がります。今回は、とある雑貨通販の事例を紹介したいと思います。

この企業においては、全顧客に対して一律で配信されるメールの開封率は約8%でした。カテゴリに特化したメルマガや、セールの告知など、一律のメルマガの種類は10種類ほど、そのほかにアクションデータを元にしたメルマガを10種類ほど配信していました。アクションデータを元にしたメルマガの開封率は30%超と非常に高い効果を得ていました。ところが、アクションデータを元にした施策が増えるに連れて1人あたりが接触するメールの総数が増え、効果は徐々に下がっていきました。

キャンペーンマネジメントツールやマーケティングオートメーションツールでは、1日あたりの最大接触数を設定したり、接触する施策の優先度を設定したり、タイミングの最適化を行えるものが殆どではないかと思いますが、それらのツールにどのように設定するか、あるいはパラメータのチューニングをどのように行うかを検討するためには、分析を行うことが不可欠です。

このケースでは、メールに対するアクションデータを用いて、[どのような商品カテゴリのメールに反応が良いのか] という視点で顧客を分析しました。メルマガごとに特化しているカテゴリがある場合はそのカテゴリを、一律配信の場合は、どのカテゴリの紹介を行っていたかでカテゴリを特定し顧客の分類を実施しました。大半の顧客は、過去に購入してきたカテゴリと、メールで反応しているカテゴリが一致していましたが、一部の顧客についてはこれが異なっていました。この企業においては、メルマガの体系自体を見直すとともに、パーミッションを顧客に入れなおしてもらうということを定期的に行っていただくようになりました。

そのほかのプロジェクトでは、 最適な配信の時間帯を特定する、メールに反応が期待できない人を推定する、といったことにもチャレンジしています。メールに反応が期待できない人については、他のチャネルで接触するという施策を実行に移すケースが増えてきています。それらについては、いずれまたご紹介できればと思います。

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