コラムバックナンバー
メールマガジン2016年3月9日号より ALBERT 菅 由紀子
データ分析の基本はロジカルシンキングである、ということはこれまでも何度かコラムで触れて来ました。特に、分析を始める前の課題整理にロジカルシンキングは大いに役立ちます。課題整理ができると、今度は「分析しようとする課題そのものが、どのようなものか」ということが重要となりますが、その際に私が不可欠であると思うのが「ドメイン知識」です。ドメイン知識とは、この場合、対象となる業界についての知見です。これまで多くの分析プロジェクト、DMP導入・運用プロジェクトに携わって来ましたが、これが欠けていると良いアウトプットは行えません。ドメイン知識がなければ、データの構造そのものが把握できなかったり、然るべき結果が得られなかったり・・・ということが良く起こります。
今回は、ドメイン知識を得るにはどうすればいいか? ということについて書いてみたいと思います。
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ベースを作る ― 浅く広く複数業界の概要を知る ―
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世の中すべての業界のことを把握できれば、それに勝るものは無いかもしれませんが、到底無理な話ですので、自分自身の関わる業界や興味のある業界、それに関連する業界をいくつかピックアップし、その業界の概要を把握します。私自身が取っている方法は下記の3つです。
1) 業界地図を読む
業界地図を読むというと、就職活動の学生のようと思われるかもしれませんが、各社から出版されている業界地図は、どれも非常にわかりやすく、幅広く色々な業界の知識を得る必要のある人にとっては、価値あるツールであると思います。時々2~3年前のものと比較して見てみると、業界構造やプレーヤーの変化も把握することができ、まさに概要を掴むには最適です。
2) シェア上位企業の動向だけはチェックする
これと決めた業界のなかでシェア上位の企業の動向はニュースアプリ等で流れてくるよう設定したり、業界に特化した情報サイトをフォローしています。また、それらの企業のニュースリリースもいちはやく把握できるよう、メールや公式twitter 等も登録しています。上位企業を選んでいるのは、やはり上位の企業は先進的な取り組みを行っている事が多く、それに他の企業が追随して業界全体の流れができる・・・ということが多いためです。
3) 重要なものは数値で覚える
「ビッグデータ市場は2020年には3,422億円」といったように、ここは重要と思う業界の市場規模はズバリ数値で言える程度に覚えるようにしています。数値で語ることで、その業界に対し、より具体性を持って接することができるように思うためです。
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深く知る ― 必要が生じた際に効率よく知識を得る ―
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次に、プロジェクトに関わることになった場合など、短期間でそのドメインの知識を得る必要が出てきた際に行っていることを挙げてみます。
1) 自分が顧客になって記録する
対象サービス、商品の顧客となってみる、というのは特にアクセスログの解析には必須です。
もし既に顧客であり会員登録していた場合は、新たにアカウントを作成するなどして登録までのフローやデザイン、UIなどを確認し直します。URLの構造やページ遷移時の変化も必須です。その際の気づきは、分析に役立つヒントとなる可能性は非常に高いです。メルマガやDMなどの送付がある場合は、それがどのような文面で、どんなタイミングで来たかということを記録したりしています。
特に、近年の行動ログを用いた施策の考案には、これがアイデアの元となりますので、もし対象が自分自身では顧客になれないサービス・商品などの業界である場合は、依頼元にお願いして分析者用のアカウントを作成いただいたりしています。もし複数人で分析を行うプロジェクトであれば、皆でそれを行い、視点の異なる気付きが集まれば、より良いアウトプットにつながるのではないかと思います。
2) 集中して大量に情報をインプットする
しばらくの間は、必要が生じた業界に特化した情報のみ大量にインプットするようにします。そうすると、その業界の中で必要な情報というのが自ずと見えてきます。その間は他の業界の知識を得ることができませんが、それをカバーするために前述のベース作りを行うようにしています。
3)最も詳しい「中の人」に訊く
1)や2)を行っても、結局のところ最も詳しいのは「中の人」です。分析した結果から「なぜこのような結果になるのか?」が皆目分からない・・・ということもこれまで多く経験してきました。その際には、恥を承知でご担当の方や、その業界に詳しい方にお訊ねしています。自分自身ではいくつか考えられる仮説を用意していますが、それが合っている場合もそうでない場合も、理由が明らかになると「やはりデータには表れるんだな」とお互い納得する、という経験は多く積んだように思います。
こうして書いてみると、分析者であるか否かに関係なく、ビジネスパーソンであれば必要な情報収集、であるのかもしれませんね。ご参考になれば幸いです。
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