コラムバックナンバー
メールマガジン2016年2月17日号より 真摯 いちしま泰樹
例えば10年前、企業にとって重要なことはWebサイトに来てもらうことでした。いまでもそれは変わらず重要なことですが、ソーシャルメディアや他のWebメディアなど人通りの多いところに出向いて触れてもらったり、全部見てもらったりといったことも積極的に行われるようになりました。いわば「来てもらうだけでなく、こちらから会いに行く」時代。人通りの多いところでお声掛けをして誘導するだけでなく、そこでひととおりのコンテンツでお出迎えもしています。
そうすると、人通りの多いところで触れてもらった内容をどうやって計測するか、指標を何にするか、どう評価するかといった問題が発生してきます。チャネルごとに計測方法も内容も重みもまったく異なり、運用企業側も困っているというのが現状だと思います。
上記記事の末尾の言葉が、多くの人の意見を代弁しています。
「目標とする大きな指標は、果たして我々が新たなオーディエンスにリーチしているのか、それとも別の環境で既存のオーディエンスが閲覧しているのかだ」
例えば、Twitterのツイートで10,000インプレッション、Facebookページの投稿で20,000インプレッション、Instagram投稿で1,000件のいいね獲得、Webサイトのページで20,000PVあったとして、重複しないユニークなユーザーとしては「何人」ぐらいにリーチできたのだろうか、という問題です。
望ましい状況ではありませんし工数もかかりますが、おそらくこの状況はしばらく続くでしょう。この中で私たちがまずはやらなければならないのは、「各チャネルの役割と目的の、定義あるいは再定義、そして定期的な見直し」です。ユーザーシナリオも同じで、再設計が必要でしょうし、例えば1年おきの見直しも必要です。
・クリックしてWebサイトに来てほしいのか(WebサイトのCookieを踏んでほしいのか)
・コンバージョンなどの効果を求めているのか
・情報としてまずは受け取ってほしいだけなのか(インプレッション、ビュー)
・いいねして欲しいのか(共感)
・拡散してほしいのか(シェアやRT)
・話題になってほしいのか(その話題の投稿数)
例えば上記のような「各チャネルに何を求めているのか」を、定期的に定義し直すことです。本体のWebサイトとは別に運用するオウンドメディア、各ソーシャルメディア、リスティング広告やリターゲティング広告、ネイティブ広告など、役割や目的はそれぞれ異なる上に、時流に合わせて変化していくものです。
仕様が異なるだけでなく役割や目的が異なれば、チャネルごとに追う指標は異なります。まずはそのチャネル内の最適化を図ってから、全体における重複施策の可能性を探ることになります。
しばらくは模索する時代です。個別に計測しつつも、全体として変化が起きているかに意識を向け続けることになるでしょう。Googleが発表したAMP(Accelerated Mobile Pages)やFacebookのInstant Articlesも、まだ一部の企業での話になるとはいえ、似た課題をはらんでいます。
最初からすべてを網羅的にかつ一元的に計測しようと設計せず、チャネルの役割と目的を見直しながら、全体のコンバージョンの状況や顧客獲得に変化が見られるかを追い続けることです。
縦割りでの数値管理ではなく、横断的な把握と取り組みがますます求められるでしょう。
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