コラムバックナンバー
メールマガジン2015年12月9日号より ALBERT 菅 由紀子
前回は「良い分析結果報告書とは」というコラムを寄稿いたしました。今回は、良い資料を効率的に作成するために私が心がけている手順についてお話ししたいと思います。資料の作成や文章の執筆を行う際、いきなりPCに向かっても、時間が短縮できたり、効率が良いとは限りません(もちろん、そういう方もいらっしゃると思います)。何の準備もなく始めると、資料や文章の全体のテーマについて考えこんでしまったり、その考えに関連する資料を参照してしまったりして、資料作成の作業効率自体はあまり高くないのではないかと感じます。そこで、私は下記のStepのとおりに資料作成を行うことを心がけています。
Step1: 課題整理
分析結果報告書に限らず、良い企画書、報告書というのは、与えられた課題が整理されており、その課題に対しての答えが明確です。資料作成を始める際には、まず資料のなかで語ろうとしていることは何かを整理します。伝えたいこと、語りたいことはいくつあるのか、それらの関係性はどうか。リストや表にしたり、各種フレームワークを用いて課題を整理します。このステップが資料作成には最も重要で、課題整理が行えれば、ほぼ資料は出来たと言っても過言ではありません。資料作成時には、この課題整理にこそ時間をかけるべきで、「資料を作成する作業」に時間をかけるべきではありません(これについては、データ分析の実施に関しても同じことがいえると思います。闇雲に分析を行うのではなく、分析しようとする課題を整理することで、より分析が効率的に行えると思います)。
Step2:構成を考える
この時点でも、最終アウトプットのフォーマットに向かうのではなく、整理した課題に基づいて資料の構成を考えます。基本的には、Step1で整理した課題の一覧を冒頭で示しておき、以降は課題とその解決策・答え・根拠という順に構成していきます。
PowerPoint であれば、それを1スライド1枚としてタイトル欄に記載していきます。
たとえば、ソリューション提案を行う企画書を想定し、課題が2つある資料の場合であれば、下記のような構成になります。
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課題一覧(分類・整理・体型化されている前提)
課題1のサマリー
課題1の解決策・答え・その根拠
課題2のサマリー
課題2の解決策・答え・その根拠
総括・考察と具体的なアクションの提示
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もし作成しようとする資料が分析結果報告書の場合は、下記のようになります。
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分析の目的と背景(課題)
分析に用いたデータの説明
分析のアプローチ法・分析手法
課題1の分析結果
課題2の分析結果
総括・考察と具体的なアクションの提示
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Step3:詳細を作成する
構成が決まって初めて、資料の詳細内容を作成していきます。この詳細を作成する場合にも、資料の全体構成を先に考えたのと同様、資料1枚の中での構成を先に決めると効率よく資料の作成を行うことが出来ます。
Step4:全体の構成を再度検討する
詳細を作成してみて初めて、提示順を変更したほうが良いと気づくケースもあります。また、資料の詳細にこだわるあまり、一方は多くの情報があるが、他方は情報が不足しているということにもなりかねません。そのため、資料の詳細部分がすべて揃ってからもう一度、構成が良いものになっているかどうかを確認します。ここで資料の構成順を変更したり、追加の資料が必要ないかを検討します。
以上は私が資料作成を行う際に心がけている方法ですが、資料作成だけでなく、文章を書くときにも活用できる方法です。Step1 の課題整理、Step2 の構成を考える際は、いきなりPCに向かうのではなく、真っ白な紙に向かうことが多いです。いつものPCの画面から一度離れて「考える」だけの時間を取るためと自分では認識しています。環境を変えて考える、ということも良い資料を効率的に作成するために必要なことかもしれません。
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