コラムバックナンバー
メールマガジン2015年12月2日号より 衣袋 宏美
2カ月前くらいになるのですが、Web・ゲーム関連職”専門”の転職支援サービスサイト「マイナビクリエイター」で、私のインタビュー記事が掲載されました。下記がそれです。
「本質を軸に、幅を持たせていくキャリア形成を – Webアナリスト衣袋宏美氏ロングインタビュー」個人的には自分の経歴を自慢するみたいなことにも興味はないし、それがよそ様の役に立つともあまり思えないので、お話しがあった時に躊躇しました。ただ自分が記事を書くわけでもなく、インタビューに答える形式でしたし、それほど手間も掛からないので、結果的にはお引き受けしました。
私自身の経歴の話もありますが、アクセス解析やデータ分析の考え方なども書いてあるので、そちらに興味のある方にも少しは役に立つことが書いてあるかもしれません。
経歴に関して言えば、自分の職歴を辿ることで、現在の自分の成り立ちを多少なりとも整理することはできたかなとは思うのですが、主観的で格好よく後付けで説明したものになっているような気もします。それが上で書いたように経歴を語ることに興味がない理由でもあります。再現性もない結果論であり、それが他の人の役に立たないだろうと考えているのです。
私が社会経験(専門業務経験も含めた全体)の中で最も人として大きく成長させてもらったのは、業務経験での困難の克服ではなく、上司や部下とのコミュニケーションの困難の経験でした(しかも克服できませんでした)。業務に関係ないことなので、上記インタビュー記事では触れていませんが、私の社会人としての人間形成の根幹は実はそこにあったりします。
経歴は当然マネしてできるものではありませんし、時代その他の外部環境に大きく依存するもので、人の表面的で履歴書的な部分から成功の本質を掴むのは難しいと思っています。一方で失敗や直面した困難は意外と誰にも思い当たるものが結構あるのではないかと思います。そういう失敗をしないということこそ学ぶべきものがあります。
同じことが「事例」セミナーについても言えるのではないかと常々思っています。事例はアナリティクス アソシエーションのセミナーでも取り上げますし、雑誌などでも定番コンテンツです。要望としても多いです。
確かに成功事例は興味深く、セミナーでも聴き終わると「役に立った」と一時的に興奮するものです。しかし人の経歴と同じで、簡単にマネできるものではありません。意外と勇んで自社でもやるぞと思っても、全然事情が異なるという厳しい現実に引き戻されます。
よその成功事例はその裏にあるはずの死屍累々も想像して一旦抽象化した上で咀嚼し、自社ではどのように適用できるだろうかと沈思する必要があります。実は非常に難しい作業を伴うと感じています。
私が企画するセミナーでは、事例をお話しして頂く場合も、決して成功事例を話すだけの内容にして頂かないようにお願いしています。「失敗」にこそ学びがあるからです。しかし失敗は格好悪いですし、具体的にお話しして頂くことが難しいのですが。。。
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