コラムバックナンバー
メールマガジン2015年11月25日号より a2i代表 大内 範行
Googleアナリティクスが、10周年を迎えたというブログ記事が出ました。私自身も書籍や仕事で関わってきていますので、じゃあ、少し振り返って見よう、と思い、過去のブログ記事などを掘り起こすという作業に入りました。
「アドバンスセグメント」や「マルチチャネルファネル」、「タグマネージャ」、「BigQuery Export」など、重要なアナウンスがありましたし、そのころ自分が書籍を書いたり、Googleアナリティクスの中の人になったりと、それぞれの新機能発表の前後で何をしていたのか思い出すことができます。しかし、そんな蔵出しの作業をしていると、結局のところ「今までの10年より、次のアナリティクスの10年」ってどうなるんだろう? と腕を組みながら考えている自分を発見します。
もちろん、私自身に今後の10年が描き出せるわけではありません。それは重々承知しているつもりです。
ただ、何周年であれ「節目」というのは、過去を振り返ると同時に、この次はどうなっていくんだ? と考える時間でもあるでしょう。ですので、「次」について少しだけ考えてみたいと思います。
(もちろん、言わずもがなですが、これはすべて大内 個人の見解です)
今後を考えた時、一つ目は「複数の道具の活用」が必要になってきます。一言で言えば、今までの「アナリティクスツール」という単体のイメージのままでは、ユーザー=顧客を描き出すために全然足りない、ということが言えるでしょう。
もちろん、道具そのものが進化する面もあるでしょうが、顧客を描き出そうとすれば、複数のプラットフォームから抽出したデータの統合が必須になっていきます。
「セグメント」ひとつとっても、PC用のウェブサイトのセッションデータだけでは、たち行きません。特に技術やデータの整備に携わる人は、単体のツールやプラットフォームを超えた、幅広い知識と経験が求められていくでしょう。
もう一つは、アナリティクスのプロジェクトが、企業としての「総力戦」になっていくことだと思います。
これまで、一人二人の「スタープレイヤー」と道具があれば、それなりに結果を出せていた世界は終わりを告げ、組織をどう構成してデータに立ち向かっていくか、その点が肝になってきます。自社内の人材だけで、すべてを解決できないケースがほとんどでしょうから、外部の伴走形のコンサルとの連携、外部サービスの効果的な活用が、鍵を握っていくと思います。
思い切った人材やサービスへの投資がなければ、アナリティクスのプロジェクトは、途中で止まって、最後まで進まない状況になるでしょう。
そして、道具と組織がある程度揃った上で、スピードを獲得するために、「わかりやすさへのチャレンジ」があると思います。次のアナリティクスの成否を決める最も大きな鍵を握るのは、この部分だと思います。
データの分析結果のビジュアライゼーションも含まれますし、効果的な仮説を決めてプロジェクトを進める、という「コミュニケーション」や「リーダーシップ」の面もあります。道具が増えて、関わる人が増えていくことで、理解を深めるため「エデュケーション」の面もあります。
データやツールが複雑になり、組織が大きくなっていき、関わる人がどんどん増えていきます。企業にとってアナリティクスは、技術面でも組織面でも「総力戦」になってきます。
その状況は、調整やコミュニケーションの多大なコストを発生させ、長い会議や繰り返しの議論やトレーニングに多くの時間が費やされていきます。
そんな状況で、「総力戦」とは矛盾するように聞こえるかもしれませんが、「わかりやすさ」「シンプルさ」を武器にできるリーダーシップを持った人材と、そのリーダーを助ける表現方法や道具が、本当に必要になっていくでしょう。
次の10年というのはおこがましいですが、人材面では「複雑な状況をわかりやすく伝える力がある人」が、リーダーとして求められると思います。そして、表現手法や道具としては、データ統合や複数の技術の上に、「わかりやすさ」を武器にできるものが、今後の市場の主役になっていくのではないでしょうか?
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