コラムバックナンバー
メールマガジン2015年11月4日号より 衣袋 宏美
今回は1回お休みしていた「殆ど見ないレポート」の第3弾です。今まで紹介したのは、毛細血管のような「経路分析」レポート、高次元データをビジュアル化したレポートでした。◆経路分析レポートは殆ど見ない。ではその代わりに見るレポートは?
◆4次元以上のデータをビジュアル化したレポートはまず見ません
今回は二つ取り上げます。
一つ目はキーワードをタグクラウドみたいに表現するレポートです。ブログなどで記事分類として付ける「タグ」の出現頻度に応じてタグ文字列が大小さまざまに浮かんだように表示する方法が「タグクラウド」です。
アクセス解析では、例えば検索エンジンからの流入時のキーワードが多ければそのキーワードを大きく表示するといったレポートが、「キーワードクラウド」のレポートになるといった具合です。
しかし、キーワードの出現頻度は極端な分布をするので、上位のブランドワードが目立つだけで、殆どその他は見えないようになるのが普通です。これは現在の検索エンジンのセキュアサイト化による(not provided)が大半を占める状態以前でもそうです。確かに表現方法は斬新なのですが、具体的に役に立てることは難しいです。
キーワードをもしテキストマイニング的に定性的に分析したいのであれば、キーワードを様々に分類して見た方が役に立ちます。例えばブランドワードとその他の一般語。ブランドワードならさらに社名と商品・サービス名、一般語なら悩み系の言葉なのかといった分類です。
さらに複合語が多ければ単語を分離する形態素解析などを施した上で、それらを係り受けのパターンで分析したり、ネガティブとポジティブの割合を測ったりするネガポジ分析をするなり、目的に応じて様々な手法があります。ユーザー心理や感情を理解するための分析なども可能で、よほどこちらの方が具体的な気づきが得られるのではないでしょうか。
二つ目はウェブページのスクロール量を数値データで計測するようなカスタマイズ。
これは標準に用意されているレポートを見ないという話からは少し逸れ、データ収集のカスタマイズの取組みになりますが、手間暇かけてトライする価値があるかという意味で取り上げました。
何を隠そう私もGoogle タグマネージャを利用してGoogle アナリティクスでページスクロール割合を計測する方法を研究し、まねしようとしました。私のように、様々な手法を試しておいた方がよい立場の人間以外にも、面白いと思ったものはどうしても試してみたいという方もいらっしゃると思います。
どこまで既存の技術を駆使してできるものなのかをやってみるということは無意味とは言えないので、そのチャレンジ自体を単に無駄だと切り捨てようとは思いませんが、そこから得られるリターンを常に考えて取り組むのがよいと思います。
このスクロール割合の計測に関して言えば、わざわざ通常のアクセス解析ツールに難解なカスタマイズを加える労力を費やすより、このスクロール実態やクリック箇所、熟読箇所なども示してくれるヒートマップ系のツールがあるのですから、そういうツールで総合的にページの利用状況を把握しましょう。
2026/01/22(木)
オンラインセミナー「検索行動・消費者分析ツール「DS.INSIGHT」の最新機能と活用事例」|2026/1/22(木)
ツール研究会の3回目は、DS.INSIGHTがテーマです。 このセミナーは、どなたでも参加可能です。 一般の方の申込には、ライト会員(登録・ …
2025/12/03(水)
オンラインセミナー「GAの分析とモニタリングの適材適所ガイド― Looker Studio、探索、スプレッドシート、MCPサーバーの使い分け」|2025/12/3(水)
このセミナーでは、Google アナリティクス 4(GA4)のデータを効果的に活用するために、目的に応じた最適なレポート機能の選び方と使い分 …
2025/11/18(火)
【大型イベント開催】a2i秋の広告祭 デジタル広告の役割を再設計しよう|2025/11/18(火)
a2i秋の広告祭 デジタル広告の役割を再設計しよう デジタル広告のこれからを半日で学ぶ!豪華11名のスペシャリストが集結! デジタル広告のテ …
【コラム】生成AI時代 データ分析に必要な”料理人のスキル”は?
アナリティクスアソシエーション 大内 範行「生成AIでデータ分析は、どこまで簡単でおいしくなるのだろうか?」 今年最後のコラムです。来年に向けてそんなテーマを考えてみたいと思います。 …
【コラム】AIの活用が進む今だからこそ、デジタルに依存しすぎない視点を
Yuwai株式会社 田中 広樹a2i秋の広告祭が終わりました。ご参加いただいた方、ご登壇いただいた方、会場の運営をいただいた方皆さまに感謝を述べたいと思います。ありがとう …
【コラム】AI自動化が進むマーケティングの未来 あなたはどう生きるか? a2i秋の広告祭の実感
アナリティクスアソシエーション 大内 範行a2i秋の広告祭が終わりました。 この「a2i秋の広告祭」は、「祭」と銘打った割には極めてマジメなイベントでした。 このイベントを構想して、 …