コラムバックナンバー
メールマガジン2015年8月26日号より a2i代表 大内 範行
アナリティクスアソシエーションで数々のセミナーを開催してきました。その中に「あれ、このセミナーと、以前聞いた別のセミナーは、まったく対照的なことを言っているな」と思うことがありました。私が記憶している2つのセミナーは、両社とも事業会社のウェブ担当者にお話いただいた事例紹介でした。扱っている商材も、対象のお客様も違いますが、どちらも、高額商材のリード獲得というビジネスモデルで、多くの共通がありました。
1) 商材の価格が高額
2) 成約までの検討期間が長い
3) ウェブで獲得したリードを営業に受け渡し、営業が成約まで進める
とその大枠の構造と流れは同じです。
それぞれの講師が抱えている課題も同じでした。せっかくウェブで集客して獲得した顧客のリストを、営業側がうまく活用してくれない、そのため、実際の成約率が思うように伸びない、というものです。
仮にセミナーAとセミナーBとします。2つのセミナーの内容は、多くの共通点がありながら、改善の取り組みとKPIはまったく逆の方向を向いていました。
セミナーAの場合は、急がずゆっくり攻める形に改善して、業績を大きく改善しました。
それまでは、ウェブで集めたリードを営業に渡しても、営業側からは「リードの質が低い」と敬遠されがちでした。そこで、営業にリードを渡す前にじっくりと煮込む方針に変えたのです。コンテンツとメールマガジンでゆっくりと育てつつ、リピートして熱心にアクセスしているな、とデータで確認できたときに、はじめて営業にリードを渡す、という取り組みです。ここでは、顧客のウェブアクセスの行動履歴を点数化集計(スコアリング)し、その蓄積したポイントがKPIになっています。
その逆にセミナーBは、スピードでパスをつなぎ、攻める形に変えて、やはり大きな成長を実現しました。
営業がウェブからのリードに嫌悪していたのは同じですが、それならばと、最初のアポイントを取るところまで、別部隊を作って進めてしまおうと考えました。資料請求などの申し込みがウェブ上で発生したら、できるだけ早く電話やメールでアプローチし、詳しく顧客の要望や状況をヒアリングします。ここでは、いかに早く顧客の声をヒアリングし、要望を絞り込んで、アポイントを取るか、そのスピードがKPIになっています。
セミナーAの講師は「お客様の検討フェーズとその心理を意識した取り組みが大事だと考えました」とそのポイントを強調します。
セミナーBの講師は「ウェブのお客様は、申し込んだ直近の心理をつかみ、アプローチすることが大事だと考えました」とそのポイントを強調します。
真逆のことを言っているのに、その取り組みに辿り着いた汗と情熱が感じられて、それぞれ納得の行くお話でした。
確かにKPIは違います。しかし、共通しているのは、失敗を重ねつつも、情熱を持って真剣にお客様と自社の強みと向き合った結果です。どちらも、営業部など他の組織とコミュニケーションを、執念を持って積み重ねたことが、成功につながっています。
そうした積み重ねが、チームの血や肉となり、KPIが活きていくのだと感じています。
いちしまさんと大内で、9月9日に開催するKPIセミナーの準備を進めています。私自身、あまり経験のない試みですが、二人で一つのセミナーを作り上げるような作業をしています。
KPIの基本的なセミナーなので、対象はあくまでアナリティクスの初級者が対象ですが、表面的な話ではなく、その本質に一歩でも近づければよい、と思っています。
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