コラムバックナンバー

今日は、KPIについて考えてみます。

大きな単位のプロジェクトで、担当者レベルごとに網羅的にKPIを設計するという相談は減った印象があるのですが、「その人」が直面する小さな単位のプロジェクトで「KPIはどうしたらいいですかね? 何がキーなんですかね?」という悩みをいただくケースは増えました。グロースハックをはじめ「グロース」という言葉が広く流通するようになり、皆がより「改善」を意識し始めたこと、そして着手する単位をある程度絞っていることが多い、というのも背景にありそうです。KPIは、理論上はゴールをロジックツリーのような形で因数分解して設けることができます。もちろんプロジェクトによって様々ですし、戦略に紐付くものなのでそうではないケースもあるでしょう。とはいえ、ゴールを分解して構成要素を理解することは大切です。

ただ、そうやって因数分解して決めた指標であっても、ただぼんやり推移を追うだけの指標はKPIではないのだと思います。

KPIはゴール達成のためにその過程の度合いをモニタリングする指標ですので、もっと前のめりで緊迫した、ゴールに向かって改善していくぞという姿勢の指標ではないでしょうか。つまり、KPIと改善はセットだということです。

設けたKPIが、何もせずに上がったり下がったりしてコントロールできない、あるいはコントロールしていないのであれば、それはおそらくKPIではありません。何か施策を打ったり変更したり、強弱をつけたりして数値が動く指標が、KPIになり得ます。

そうして3か月や1年など、適切な期間を設けてゴールに近づいているかを確認し、ゴールにほとんど影響していないということであれば「その指標はKPIではなかった」という判断を下さなければなりません。それはゴールに責任を持つ者の役割だと思いますが、そのKPIが適切かどうかの見直しも必要だということです。ゴールに向けて好転しているのであれば、引き続きそのKPIを軸に改善活動を続けるなり、フェーズが変わって頭打ち感が見られるのであれば別のKPIを探るということになります。

「今月はこうでした。以上」というレポートが、現状や結果を知るにすぎないのと同じように、推移をぼんやり眺めるだけの指標はKPIではありません。コントロールできているかどうか、ゴールに影響を与えているかどうかが、KPIの条件だと考えます。

2015年9月9日に、大内さんといちしまでKPIをテーマにしたセミナーを開催します。そこではこのような話に触れようと思っています。
特別セミナー「大内といちしまが悩んだ末にたどり着いたKPIのレシピ」 (2015/9/9)

★メールマガジンのバックナンバーはこちら

一つ前のページに戻る

a2i セミナー風景イメージ

あなたも参加しませんか?

「アナリティクス アソシエーション」は、アナリティクスに取り組む皆さまの活躍をサポートします。会員登録いただいた方には、セミナー・イベント情報や業界の関連ニュースをいち早くお届けしています。

セミナー・イベント予定

予定一覧へ

コラムバックナンバー

  • 【コラム】注目される統計的因果推論

    株式会社Rejoui 菅 由紀子
    発信元:メールマガジン2021年10月20日号より

    先日発表されたノーベル経済学賞の受賞者、デービッド・カード、ヨシュア・アングリスト、グイド・インベンスの3氏は「自然実験が知識の源泉となるこ …

  • 【コラム】計測できるものだけで都合良く評価していないか?

    株式会社真摯 いちしま 泰樹
    発信元:メールマガジン2021年10月13日号より

    ■「測定できなければ管理できないというのは間違いで、代償の大きい誤解だ」 誤って引用されるフレーズに「測定できなければ管理できない」というも …

  • 【コラム】ABテストの科学

    Option合同会社 柳井 隆道
    発信元:メールマガジン2021年10月6日号より

    ABテストをするとき 「施策AとBを比較した結果、施策AのほうがCVR(目的の指標)が高いので優れていると判断した」 そこで思考が終わってい …

バックナンバー一覧へ