コラムバックナンバー
メールマガジン2015年8月19日号より 真摯 いちしま泰樹
今日は、KPIについて考えてみます。
大きな単位のプロジェクトで、担当者レベルごとに網羅的にKPIを設計するという相談は減った印象があるのですが、「その人」が直面する小さな単位のプロジェクトで「KPIはどうしたらいいですかね? 何がキーなんですかね?」という悩みをいただくケースは増えました。グロースハックをはじめ「グロース」という言葉が広く流通するようになり、皆がより「改善」を意識し始めたこと、そして着手する単位をある程度絞っていることが多い、というのも背景にありそうです。KPIは、理論上はゴールをロジックツリーのような形で因数分解して設けることができます。もちろんプロジェクトによって様々ですし、戦略に紐付くものなのでそうではないケースもあるでしょう。とはいえ、ゴールを分解して構成要素を理解することは大切です。
ただ、そうやって因数分解して決めた指標であっても、ただぼんやり推移を追うだけの指標はKPIではないのだと思います。
KPIはゴール達成のためにその過程の度合いをモニタリングする指標ですので、もっと前のめりで緊迫した、ゴールに向かって改善していくぞという姿勢の指標ではないでしょうか。つまり、KPIと改善はセットだということです。
設けたKPIが、何もせずに上がったり下がったりしてコントロールできない、あるいはコントロールしていないのであれば、それはおそらくKPIではありません。何か施策を打ったり変更したり、強弱をつけたりして数値が動く指標が、KPIになり得ます。
そうして3か月や1年など、適切な期間を設けてゴールに近づいているかを確認し、ゴールにほとんど影響していないということであれば「その指標はKPIではなかった」という判断を下さなければなりません。それはゴールに責任を持つ者の役割だと思いますが、そのKPIが適切かどうかの見直しも必要だということです。ゴールに向けて好転しているのであれば、引き続きそのKPIを軸に改善活動を続けるなり、フェーズが変わって頭打ち感が見られるのであれば別のKPIを探るということになります。
「今月はこうでした。以上」というレポートが、現状や結果を知るにすぎないのと同じように、推移をぼんやり眺めるだけの指標はKPIではありません。コントロールできているかどうか、ゴールに影響を与えているかどうかが、KPIの条件だと考えます。
2015年9月9日に、大内さんといちしまでKPIをテーマにしたセミナーを開催します。そこではこのような話に触れようと思っています。
特別セミナー「大内といちしまが悩んだ末にたどり着いたKPIのレシピ」 (2015/9/9)
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