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5月20日にデジタル・アドバタイジング・コンソーシアムから『IABの「クロスプラットフォーム時代のデジタル広告におけるエンゲージメントの定義と計測」ホワイトペーパーの日本語版を掲載しました』というリリースがありました。
IABの「クロスプラットフォーム時代のデジタル広告におけるエンゲージメントの定義と計測」ホワイトペーパーの日本語版を掲載しました米国のオンライン広告の業界団体IAB(Interactive Advertising Bureau)が2014年発表した「Defining and Measuring Digital Ad Engagement in a Cross-Platform World」を翻訳し、その全文を公開したのです。それは下記で見ることができます。
クロスプラットフォーム時代のデジタル広告におけるエンゲージメントの定義と計測

英語の資料だと読破するためのハードルが高いですが、日本語だと理解しやすいので、全文読んで頂きたいと思います。15ページというページ数の割には、重要な部分はそれほど多くはありませんので簡単に読めます。

IABとANA(全米広告主協会)、4A’s(全米広告代理店協会)が協同で進める、広告効果指標の標準化を目的とした横断的なプロジェクトの5つの柱(「インプレッションの定義」「オーディエンス単位の設定」「広告ユニットの分類」「ブランド広告効果指標」「ブランド態度計測」)のうち、4つ目の柱「ブランド広告効果指標」の重要な項目が、今回の「エンゲージメント」という位置づけになっています。

ドキュメントの主要部分では、「主要な課題と論点」「アプローチと解決策」「考慮すべきエンゲージメントの主要な指標」「結論」という構成に整理されていますので、何故その指標群になったのかを導くプロセスまで理解することができるでしょう。

冒頭には、「このホワイトペーパーは、エンゲージメントに関する数多くの指標と分析手法が存在する迷路から抜け出して、30の主要な指標を特定した。またエンゲージメントの定義を明確にし、モバイルとソーシャルにおけるエンゲージメントの概念と指標を統合した。」とあり、最後に具体的な7つの認識的、4つの感情的、19の物理的指標が提示されています。

計測手法は、調査、バイオメトリクス、アイトラッキング、Web解析、ソーシャルリスニング、ソーシャル解析など、様々な方法によって複合的に計測して総合的に判断するものであることだということがわかります。

結論にも重要なことが書いてあります。指標に関して言えば、
・すべてにフィットするワンサイズや、単一のアプローチは存在しない
・比較できることや効果のベンチマークが必要
といったところになります。

指標は30もあるのかとうんざりするかもしれませんが、一つや二つの単純な評価軸でエンゲージメントを語るというのが、そもそも無理なのは理解できます。また一つ一つを見ればわかりますが、それぞれは当たり前の指標ばかりで、新しい発見はそれほどないでしょう。

実際の運用では、計測のためのコストも掛かりますから、目的や施策に応じて適切な指標を選択して追跡していけばよいと思います。その一つの指針を示してくれたということで、非常に意義深い資料ではないでしょうか。

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