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端末IDは単体では個人情報とみなさない、との見解が総務省から示されました。
携帯電話番号、「単体で一概に個人情報に該当するとは言えない」

ただし、端末IDだけで個人を特定するのは難しいですが、位置情報や行動履歴などを組み合わせていくと、個人が特定される恐れもあります。携帯端末から取得できる情報は多岐に渡り、特に行動履歴データ、ライフログとしてのデータが殆どであることから、今回の発表により、その活用については各所で活発な議論が行われています。
行動履歴データを活用し、顧客やユーザーにアプローチすることは最早どの企業も取り組まれていらっしゃると思います。行動履歴データは文字通り人がアクションした結果のデータですから、属性情報よりもその人を理解するためのデータとして重用されるのは当然であると言えます。

かつては、性別・年代・居住地など登録された属性情報を元に、「20代後半の女性には美容商材」 「30代前半の男性にはビジネス情報」といったようなアプローチの仕方が多く行われてきましたが、ここ10年ほどで行動履歴データの活用が活発になり、対象者のアクションに応じてパーソナライズされた情報を提示する、ということが当たり前になってきました。私自身も様々な案件でそのような結果を目の当たりにしてきました。行動履歴データの注目度は増すばかりですが、一方で属性情報を元にしたアプローチもなくなることは無いと考えています。

とあるアパレル通販の企業でデータ分析を行いレコメンドのロジックを検討した際、男性には男性物を、女性には女性物を推薦すべきではないか? という議論になり、属性情報と購買履歴データの実際を確認したことがあります。結果、

「会員登録情報は男性だが女性物の購入がほとんど」

という利用者がけっこうな割合で存在しました。詳細を紐解くと、これは女性の利用者が配偶者のクレジットカードを利用するために、会員登録を配偶者の男性の情報で登録していた、というケースでした。このアパレル通販企業の場合は、行動履歴データにもとづいて推薦しましょうということで、性別問わず様々な商品を推薦する、という事になりました。しかし、行動履歴が無い、あるいは十分でない利用者についてはそういった判別も行えないため、登録されている属性情報を元に性別や年代でそれぞれ人気の商品、人気のブランドを推薦することになりました。

行動履歴データと属性データを比較すると、前者の方が、その人の嗜好をより反映することは確かですが、行動履歴データで全ての対象者の特徴が把握できるわけではありません。行動履歴データの活用は今後も様々な方法が検討されるかと思いますが、データドリブンなマーケティングに重要なのは、データの種別を問わず目指す目標に対してどのようなデータが必要であるか、それぞれのデータの関係性がどのようなものであるかを正しく把握すること、であると思います。

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