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サイトでも広告でもメールでも、「お出迎え」と「お声掛け」というおもてなしが、ユーザーとのコミュニケーションや関係性構築の基本だと思っています。

「お出迎え」と「お声掛け」。

これは、10年以上前に、当時同じビルにいらっしゃった石井研二氏から教わったものです。チェーンストアや百貨店を経てウェブビジネスの世界に入った私にとって、ひとことで理解できる考え方でした。いまでも変わらず、私の思考の根底に流れていると感じます。少し具体的に例を挙げてみましょうか。

・その広告は、お声掛けをしているか、適切なタイミングか
・そのバナー画像は、お声掛けをしているか
・そのテキストリンクは、お声掛けをしているか
・そのメールは、適切なタイミングか、適切なメッセージか
・そのコンテンツは、広告の着地としてお出迎えしているか
・そのコンテンツは、読んでもらおうとしているか、メッセージはあるか
・そのコンテンツから、次の行動喚起を促しているか

「詳細はこちら」というテキストリンクは、もっと適切な「お声掛け」ができるはずです。商品写真と商品名しか目に飛び込んでこないページでは、もっと「お出迎え」ができるはずです。「商品について」という見出しではなく、もっとそこでメッセージを伝えられるはずです。

お出迎えを変えてみたら、お声掛けを変えてみたら、期待していたことが起きたか、あるいはどうなったか、それを繰り返してより良くしていく、それを続けていくのです。

CMSやテストツールといった仕組みの発展もあり、またウェブ周辺の予算の認識も多少変わってきたおかげで、そのサイクルを早められたり、小さく試せたり、自動化できるようになりました。広告でも、適切なタイミングを調整できたり、よりふさわしいセグメントで配信できるようになりました。

10年前は、まだ広告やリンクや画像やページという小さな単位の「点」の改善だったかもしれません。それが、訪問という「線」になり、ユーザー層という「線」や「面」の改善になっています。

また、改めて言うまでもなく、ウェブだけにとどまらない取り組みにもなってきました。それこそ、人と人とがやりとりする「お出迎え」と「お声掛け」とリンクします。

ウェブでの取り組みは、テクニックとシステムだけで解決するものではありません。ユーザーとどれだけ波長を合わせられるか、適切なメッセージを適切なタイミングで送れるか、それがユーザーとの関係性を構築するのです。

「お出迎え」と「お声掛け」。

まずは、目の前にあるその広告文から、そのリンク表現から、そのページの見出しやコピーから、見直してみませんか。そして、変えたらどうなるかを検証してみませんか。

その積み重ねだと思っています。

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