a2iコラム
メールマガジン2014年6月24日号より 石井 陽子
分析をしていると、いわゆる「ドツボにハマる」ことはありませんか?
手段やそのディティールばかりに固執していると、そこから抜けられない悪いスパイラルに陥ることがあります。
そのような時には、原点に立ち返り、何をゴールに分析をしていたのかをもう一度確認し、0ベースで考え直すと、悩んでいたことは意外とシンプルなことだったことに気づいたり、新しい分析のアプローチができるようになったりするものです。でも、原点に立ち返ろうとしても、それすらよく分からなくなってしまいそうなこともありますね。プロジェクトが進んでいくと、外野や雑音が増えたりもするので、なおさらです。
そのような時に、私がよく読み返すのが、プロジェクトの企画書や提案書、プロジェクトのキックオフ資料です。
こうした資料には、(私のような受託ビジネスをしている者であれば)お客様が求めている要件や提案や企画の背景、加えて何をもってプロジェクトを成功とするのか、という分析調査の上でもとても重要なことが明文化されています。余計な情報が入っていない状態の時に書かれているものなので、実は原点に立ち返るのにとても便利な情報です。
企業内における分析調査の業務の位置づけによっては、調査要件だけオーダーされて、企画書や提案書が無いなんてこともあるかと思います。
しかし前のコラムでも書かせて頂いたとおり、私たちの仕事の本質は『ビジネスにインパクトを与える』ことにありますから、やはり調査ひとつとっても目的意識を持ちたいものです。
そのために私は、調査を始める前に必ず『調査企画書』を作ることをお勧めしています。
調査企画書には以下の6項目を入れておくとよいでしょう。
(ここではある会社の人件費削減のための分析を例にとってみました)
<最初に整理する3項目>
1. 調査実施の背景
なぜその調査を実施するに至ったのか。
Ex. 部門Aの人件費がかさんでいて、部門収益を圧迫している。
2. ゴール
背景と関連しますが、この分析を行うことで何を成功とするかを書くところです。ここでは、誰の何にどのようなビジネスインパクトが得られるのかを書きます。
Ex. 部門Aの人件費が減る。
3. どんな調査結果がゴール達成につながるか
どういう結果が出るとゴールが達成できそうかを書きます。ある意味調査設計方針とも言えるかと思います。
Ex. 部門Aの人件費がかさんでいる要因が業務Xの負荷であることがわかる。業務Xの負荷の原因はYであることがわかる。
Yを改善するためにはa、b、cの打ち手があり、aが最もインパクトが大きいことがわかる。
まずこの3項目を書いてみましょう。
これが書けなければ、そのプロジェクトがドツボにハマっても抜け出せなくなるパターンの可能性がありますので、上司の方は一旦その調査を却下しても良いかもしれません。
これらができたら、次に4~6をまとめます。
<次に整理する3項目>
4. 必要な人・モノ・お金
調査を遂行するために必要なものの書き出しです。
人 : 必要なリソース
モノ : 必要なデータや道具 (ex.各スタッフの人件費、作業工程表、スキル、経験・・・)
お金 : 費用や工数
5. スケジュール
いつまでにどのような結果が出てなければいけないかを記載するところです。
たとえばクリスマスなどのイベントなど稼ぎ時が決まっている場合、その前までに何かしら施策を打たなければならないなどという条件が付きますので、マイルストーンを引く必要があります。
6. 制約条件 / リスク
進めていく上でゴールの達成を阻むようなケースは考えられるかなど、想定できるリスクや実施の上での制約条件を書き出しておきます。
少々面倒ですが、これをやっておくと社内の共有の上でも、後に同様の調査を行うと行った場合のケーススタディにも役立ちますので、ぜひ実践してみてください。
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