コラムバックナンバー
メールマガジン2014年4月15日号より 真摯 いちしま泰樹
Webサイトを軸としたマーケティングは、長く「目の前の課題」の解決に力を注ぎすぎていたのかもしれません。私たちは、「顧客との関係性の構築」という重要だけれども少し先の課題に、今後より力を入れなければなりません。
乱暴にまとめてしまえば、これまで取り組んできた課題は、「ユーザーに見つけてもらい、Webサイトに連れてきて、コンバージョンしてもらう」という一連の流れを、いかに効果的に完結させるかというものだったと思います。
もちろん、それはこれからも課題であり続けるでしょう。ただ、これまではそれをあまりにも「短期間で捉えて、テクニックで片付け」ようとしていました。
広告を打ち、SEOに取り組み、LPOやEFOで改善していく課題は、集客の側面、コンバージョンの側面、直帰率などの回遊の側面、どのボタンを押したかやどこまでスクロールしたかといったページ単位の側面、それぞれ視点は異なれど、「課題を解決しましょう」と言うには目の前の課題ばかりでした。いわば「点」の課題の解決です。
その「目の前の課題解決の視点」に欠けていたものを補うように、インバウンドマーケティングやカスタマージャーニーといった言葉で語られるような「顧客とどのように関係性を構築していくのか」という本質的な課題が、改めて取り上げられるようになったのだと思います。
顧客との関係性の構築は、時間もかかり、テクニックですぐに片付くものではありません。顧客との向き合う姿勢や、コミュニケーションの量や質などが問われ、試行錯誤が必要な取り組みです。その場しのぎではない「線」での課題解決、と言えるでしょうか。
そうなると、分析する視点も変わってきます。1〜2年前から「ユーザー視点に」と言われていましたが、必然的に訪問軸とユーザー軸を行き来しながら、施策の改善を進めることになります。
・初回訪問からコンバージョンに至るまでの期間や訪問回数の把握
・初回訪問と2回目以降の流入接点やモチベーションの変化
・初回訪問と2回目以降の閲覧コンテンツの変化
・初回訪問から、月や週ごとの再訪問率の推移、アクション率の推移
・会員登録から1週間(1か月間)にn回以上のアクションをしたユーザー率の推移
・会員登録から次のコンバージョンに至るまでの期間や訪問回数
・顧客あたりの売り上げの推移
こういった視点での分析が、以前よりも多く取り組まれるようになるでしょう。そこからの改善も、サイトに汎用的に適用させるものから、よりパーソナライズやターゲティングを絡めたものが増えてくるはずです。
テクニックで解決しようとする課題はわかりやすく、予算も確保しやすいですが、「関係性の構築」はそうではありません。そこをどう推し進めるかが、企業の成長の鍵だと思います。
2025/06/12(木)
【a2i交流会2025】デジタルマーケター大集合!a2i 5年ぶりの交流会|2025/6/12(木)
a2iの交流会が5年ぶりに帰ってきました! ライトニングトーク「私と生成AI」には、小川卓氏(HAPPY ANALYTICS)、川手遼一氏( …
2025/05/22(木)
オンラインセミナー「生成AI活用、マーケ現場の実践と組織導入のリアル」|2025/5/22(木)
生成AIはマーケターの働き方や組織のあり方を大きく変えつつあります。特に、最先端テクノロジーに日常的に触れるデジタル広告運用の現場では、生成 …
2025/04/16(水)
オンラインセミナー「【GA4&GTM完全攻略】それ計測したかった!を叶えよう」|2025/4/16(水)
GA4とGTMの正しい設定方法を基礎から実践まで徹底解説します。 GA4導入時に押さえておくべきポイントや、イベント設定・カスタムディメンシ …
【コラム】Google AI OverviewでGoogleの検索体験はより快適になる?
アナリティクスアソシエーション 大内 範行日本でも、Googleの検索エンジンで、AI Overviewの表示が増えてきました。 AI Overviewが表示された検索クエリで、クリ …
少し前の話になりますが、2025年2月に「Google 広告 P-MAX 解体新書 ~究極の自動化とデータドリブンアトリビューション~」とい …
【コラム】SEOの辻正浩さんにインタビューしたらその使命感に圧倒された
アナリティクスアソシエーション 大内 範行アナリティクスアソシエーションでは、不定期に話題になったこと、人についてインタビューを行っていきます。第二回は、SEOの第一人者 Faber …