コラムバックナンバー
メールマガジン2013年9月25日号より a2i代表 大内 範行
あっという間に9月が終わろうとしています。残りはあと四半期をひとつ残すのみ、という時期になりました。
そこで、かなり気が早いですが、来年2014年のトレンドについて、私なりに考えてみたいと思います。といっても、体系化されたものではなく、極めて私的な意見である点はお許しください。
ちょっと大げさかもしれませんが、2014年はこれから来る新たな波の始まりの年なのではないかと、考え始めています。私自身、Googleアナリティクスを中心に、この5年間アクセス解析に取り組んできましたが、来年から歩みは、これまでの成功体験とは違う新しい5年間が来るのではないかと考えています。
まず、皆さんも日々の情報で接しているように、アドテクと呼ばれる広告のテクノロジーが大きく進化をはじめています。今年は特にDMPという言葉を多く聞いた年でした。ディスプレイ広告やリマーケティング広告といった従来の取組みが、次の数年間で今までと違ったレベルに進んでいきそうです。
大きくは広告が「場所」を買うものから、「オーディエンス」を買うものへのシフトであり、それを支えるテクノロジーとデータの進化がはじまっていくだろうと思います。自分のウェブの行動データと、その外側に広がるデータとの融合が進んでいきそうです。
もう一つは、高度な統計手法のパッケージ化が進んでいくでしょう。データサイエンティストという言葉は、多くのメディアにも取り上げられましたが、データ解析により複雑で高度な分析を取り入れる動きが盛んです。
統計を学ぶことはちょっとしたブームになりつつあります。
私自身は普通の企業が、データサイエンティストを雇う必要性はないと考えていますし、マーケッターが統計に深く精通する必要はないと考えています。一方で、データの科学者の知見の多くは、次の3年ぐらいで、ほとんどパッケージ化され、私たち普通の人間でもその機能の恩恵を享受できるようになっていくと考えています。
統計手法は誰もが選べるものであり、感覚的に納得できる示唆を与えてくれるものとして進化し、より身近なものになっていくでしょう。
さて、随分大雑把なトレンド分析ですが、一方で、こういったテクノロジーと環境の変化の中で、より大事になってくることが1つだけあるだろうと思っています。
それは月並みですが、顧客の理解と洞察です。アドテクやデータサイエンスと比べると地味すぎるでしょうか?
しかし、結局はそういった新しいテクノロジーの進化も、目的はウェブ上の見えない顧客の姿をつかみ、スケーラブルな対応をしていくためのものです。その意味で、進化している方向は、まったく新しいものに変わったわけではなく、これまで取り組んできたものの延長上にある、と思います。
DMPを使ってオーディエンスデータを駆使するとしても、統計手法を駆使して最適なコンテンツを提示するとしても、その基礎となるインプットは、結局のところ、あなたのターゲットとするお客さんは誰でどんな行動をする人か?ということです。
ユーザーのセグメント、クラスタリングは、すべての分析の基礎であり続けるでしょう。むしろ、その顧客像が、よりリアルなものを必要としてくる、ということです。
実は今後の5年間、企業にとって本当にクリティカルな部分は、顧客理解の洞察にあると思います。
企業の人材、組織、文化において、真剣にこの顧客の行動と文脈を理解することが、データ解析の生命線になってきます。具体的には、マーケティング、データ解析を担う人材に、本当に顧客とビジネスを理解しているエース級の人物が必要になってくる、ということだと思います。
顧客行動をいい加減にしか捉えていなければ、いくら高度な統計手法を駆使しても、最新のアドテクを採用しても、投資対効果に見合う結果は得られないでしょう。
ちょっと真面目な展開になりましたが、来年以降、どれだけ深く顧客行動を分析理解できるのか、その点を個人としても、アクセス解析イニシアチブとしても、磨いていきたいと考えています
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