コラムバックナンバー
メールマガジン2013年7月9日号より 真摯 いちしま泰樹
アナリストからのメッセージには、「メンバーや関係者のモチベーションを上げること」と「明確な次のアクション」という2つの要素が必要だと感じます。
「アナリスト」の部分は、「Web担当者」「コンサルタント」などに置き換えていただいて構いません。
先日、ある人から「Webを利用した健康管理サービス」の実際のパソコン画面を見せていただきました。体重計や活動量計、血圧計などで計測した各データがスマートフォンアプリ経由でウェブに自動でアップロードされ、ログインしてそのデータを閲覧できる会員向けサービスです。
アクセス解析ツールに普段から触れているような読者の方であれば想像つくと思いますが、体重や体脂肪率、BMIといった指標のトレンドや特徴が、非常に見やすいインターフェースでわかるようになっています。
以前よりその「ある人」から「いいですよ、いいですよ」と話は聞いていたのですが、ほんの一部を見せていただいただけでも、そのサービスの出来の良さの片鱗がうかがえました(ツールの新規導入やリプレイスはくれぐれも慎重に)。
そのサービスでは、数値やグラフだけでなく、サマリーの画面で日本語の文章でメッセージが表示されます。
・このしばらくどのような状況であったか
・どの重要指標が以前のどこかのポイントと比べてどう良くなったか
・今後の注意点や気をつけるポイント
概ねこのような内容で、健康管理として必要な情報が簡潔にまとめられています。「どの重要指標が以前のどこかのポイントと比べてどう良くなったか」という点は、これこそデータ分析の極みですね。指標を単日や一定期間の平均で扱ったりしながら、以前のどこかのポイントやトレンドと比較して良くなっているポイントをなんとか見つけ出し、「良くなっていますよ!」とメッセージを出してくれる、なんとも「がんばりがい」のある内容のものがほとんどだそう。そこまでが自動化されています。とても優秀なアナリスト、コンサルタントです。
アクセス解析は健康診断に例えられることがありますが、アナリストがサイトの現状報告として関係者に伝えるべき要素と、この健康管理サービスの自動メッセージは似ています。
・KPIの状況を適切に伝えること
・良くなったポイント、改善の効果を伝えること
・今後の方針を伝えること
もちろん、状況や業界や取り組む業務によって異なるのは承知していますが、サイトの現状把握としては十分な要素です。
そして、先ほどの健康管理サービスの優れている点は、「良くなったポイント」というモチベーションを上げるメッセージを渡していること。
これは健康管理の目的が、ダイエットなど「ユーザーが良くしたいこと」の改善に他ならないからですが、そのモチベーションの維持に必要な要素を的確に提示しています。
さて、あなたが関係者に伝えているメッセージはどうでしょうか。
サイトも改善活動という側面では同じです。改善の状況や効果を間違いなく伝えることはもちろん必要ですが、モチベーションを上げるメッセージはそこに含まれているでしょうか。そして次にどうすべきかという明確なアクションや指針は提示できているでしょうか。
健康管理では、重要な指標は明確です。体重や体脂肪率やBMIや血圧といった限られた指標で済む場合が多いと思います。「この指標だけ」という人もいるでしょう。
アクセス解析ツールでは、「これが重要指標です。KPIです」と指定できるものはあまりありません。指定しているコンバージョンがそうかもしれませんが、あなたが利用しているツールにログインした際に、その指標の状況が真っ先に表示されるようになっているでしょうか。「以前と比べて良くなっていますよ」「あともう一息ですよ」といったメッセージは表示されているでしょうか。
ビジネス要件がさまざまなため、アクセス解析ツールにそこまでを求めるのは酷かもしれません。であれば、アナリストやコンサルタントやWeb担当者がその役割を担わなければいけません。
「メンバーや関係者のモチベーションを上げること」と「明確な次のアクション」。
6月18日号の石井陽子さんのコラムでも「伝える力」の重要性について触れられていました。私たちは分析結果やデータの提示だけではなく、このような必要な要素を含んだメッセージとして伝えなければなりません。
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