コラムバックナンバー
メールマガジン2013年6月11日号より 真摯 いちしま泰樹
私たちは、意識的に「経験と勘」の「棚卸し」をしなければなりません。
適切な根拠を提示するためにも、常にそれを疑って仮説とするぐらいの意識が必要です。
ウェブに関わるビジネスのキャリアが長いほど、多くの成功経験や失敗経験をお持ちです。アクセス解析サミット2013でのコマースデザイン坂本様の講演でもありましたが、「一人何でも屋」がプランニングから実務まで手掛けていると、「長年の経験と勘」が蓄積され、それをもってコンパクトな組織ではスピード感を持ってビジネスを動かすことができます。
このメールマガジンを読んでいる方々であれば、データドリブンを意識しつつも、要所要所で「経験と勘」を駆使されていると思います。
一方で、最新の変化やトレンドもフォローしなければなりません。組織も少しずつ大きくなったり、ご自身の役割も現場からマネジメントに移って実務から遠ざかっていれば、前のめりでキャッチアップしなければなりません。インターネット周辺の変化も、以前ももちろん速いスピードでしたが、いまも変わらず速さを維持している感があります。
この変化に合わせて、自身の「経験と勘」を棚卸ししなければならないと感じるのです。むしろ、常に疑うぐらいの姿勢の方がよいのかもしれません。そして、その疑いこそが「仮説」です。
モバイル端末の訪問でのコンバージョン率やフォームの離脱状況も、一般的には「PC端末よりもよくないだろう」と捉えられがちです。しかし、この点もサイトによっては、必ずしも同じではありません。利用のシチュエーションや比較検討のしやすさなどを含め、サイトの閲覧や回遊、コンバージョンや再訪問について、やはりデータを調べてみないことにはわかりません。
PCよりもモバイルの方が常によい結果を示すサイトもありますし、繁忙期などの時期や広告キャンペーンのボリュームなどによって、モバイルの方がよい反応を見せる時があるのも確かです。
モバイルでの集客の側面で見ても、自然検索経由でどれぐらいの訪問があるのか、検索エンジン別ではどうなのかなどは、PCでの訪問とは大きく違います。
また、タブレット端末ではPCサイトが閲覧されるケースが多いようですが(これも実際には自分たちのサイトで調べてみないとわからないですね)、マウスオーバーで表示を切り替えるような仕掛けを利用していれば、タブレット端末ではそれがそのまま機能しないことにしばらくして気がつくことになります。過去の経験が適切な思考の邪魔をしているのです。
私たちは、意識的に経験と勘の「棚卸し」をしなければなりません。自身のキャリアがその経験の上に乗ったものだとしても、常にそれを疑い、「いまは実は違うのではないか」という仮説が新しい事実の発見につながるはずです。
モバイル周辺の話題を挙げましたが、広告などの集客方法、効果測定、顧客との関係性の築き方、メッセージやデザインなどでも、「経験」がそのまま「いま」に置き換えられないものが多くあるはずです。経験だけを根拠としないように、気をつけたいものです。
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