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リファラーは意外にもろく、はかないものです。

いま私たちは、「検索キーワード」「参照元」といったリファラー情報の恩恵を享受しています。リファラー情報は、ユーザーのモチベーションがかいま見られるものとして、マーケティングの側面からは非常に重要な情報のひとつです。

その恩恵を十分に受けることができた状態から、近年少しずつ変化が見られます。

トピックスでも紹介していますが、ブラウザーGoogle ChromeでのGoogle検索が次期バージョン「25」からSSL接続になるという発表がありました。SSL接続でのGoogle検索経由では検索キーワードがわからなくなり、Googleにログインしているユーザーなどの検索キーワードが不明であるという現在のアクセス解析側面のマイナスの影響が、さらに大きくなることを意味します。

Google ChromeでのGoogle検索が次期バージョン25からSSL接続に
ChromeのGoogle検索がSSL化、(not provided)が増えキーワード取得がさらに困難に

これはユーザーのプライバシー保護を目的とした世界的な取り組みの一環で、この流れは避けられないでしょう。Google検索からの訪問の際に、いったん非SSL接続のページを経由することで「(キーワードはわからないけれども)Google検索からの訪問ですよ」と一部のリファラー情報を残してくれたところは、せめてもの救いでしょうか。

似たケースがあります。TwitterやFacebookは、現在デフォルトでSSL接続で運用されています。通常、SSL領域からのリンクはリファラー情報として物理的に記録されません。しかし、TwitterやFacebook上でのリンクは、先述のログイン時のGoogle検索と同様に、リダイレクトで非SSL領域のページを経由することでリファラー情報として「Twitter経由ですよ」「Facebook経由ですよ」と認識できています。これは各社のプレゼンスや影響力を高める取り組みともとらえられますが、このおかげで私たちはソーシャルメディアの効果の一部を測定できます。

最近ではスマートフォンやタブレットの利用増加に伴い、ブラウザーではなくアプリを通したインターネット利用も増えました。アプリから直接サイトに訪問した際のリファラー情報も、先程のTwitterやFacebookのようにアプリ側が非SSL領域のリダイレクトを挟んでいなければ、取得できません。

ブラウザー利用でも、PCサイトからスマートフォンサイトへのリダイレクトの方法によっては、リファラー情報を欠損させてしまっていることもあります。これは運営者側が不用意にリファラー情報を削除してしまっているケースです。

物理的に取得できなくなったものは、あきらめるか別の方法を考えることになります。一方で、知識不足や連携ミスで意図せずリファラー情報を削除しているケースもあります。マーケティングの側面では貴重な情報のひとつです。「リファラー情報」がこのような状況にあるという把握と適切な対処とともに、検索キーワードをはじめとして有効活用しているのであれば、今後の現状把握や分析の際の対応を考えておいた方がよいと思います。

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