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「最適化」という言葉をマーケティング用語では時々使います。本来の意味は、最適なパフォーマンスを得る、という意味ですが、不器用な翻訳言葉で、使うたびに今でも違和感があります。
しかし、違和感がある一方で、僕自身はこの言葉をよく使います。その理由は、僕なりにもう一歩踏み込んで、この言葉を定義しているからです。
「(供給側の目的を)ユーザー側の思考や行動に一致させ高いパフォーマンスを得る」
最適化の肝は、ユーザーに対する最適化だと考えています。

ウェブでは、サイトを訪問しているお客様が見えません。ユーザー行動を追求するのはとても難しいので、供給側の考えとは必ず大きなギャップが生じます。そのため実際にユーザーに対して最適化が達成できると、とても高いパフォーマンスが得られます。そして、僕が持っている先入観、思い込み、常識を覆します。

例えば、トップページの「フラッシュ」アニメーションは、ユーザーのクリック率が低い。その当時、僕が何社か分析を進める上で得ていた常識でした。
しかし、ある担当者は実際にクリック率が低い、という僕が提示するデータを目にして、そこで止まらずに、デザイナーと一緒に、クリック率を高める努力を行ないました。その後、フラッシュの最適化に取り組んで、高いクリック率とそこから誘導される高いコンバージョンを達成しました。
実は「フラッシュ」というツールそのものに、低いクリック率の原因はありませんでした。本当の原因は、発注側もデザイナーも、映画のオープニングのような「作品」を求め、「ユーザーが椅子に座ってじっと作品を見てくれる」と考えていたことにありました。

最近の僕の思い込みの一つは、「スマートフォンはコンバージョン率が低い」という事です。そのようなデータを散々見てきたため、半ばこれが僕の常識になりつつありました。
しかし、市嶋さんから、スマートフォンで、PCよりも高いパフォーマンスを達成しているお客様がいますよ、と教えられ、スマフォサイトも、最適化すれば高いパフォーマンスが得られることを知りました。
多くのケースでは、スマートフォンサイトを、携帯サイトの延長として扱っていたり、PCサイトの付け足しのように扱っていたために、思ったようなパフォーマンスが得られていなかった、ということだったのです。

来年2013年は、PCよりもパフォーマンスの高いスマートフォンサイトの事例が、いくつも登場しているでしょう。

「最適化」この言葉は、不器用で肌触りの悪い言葉ですが、僕自身は好きな言葉の一つです。目指すべき最適化が、ユーザー中心である限りは、という条件がつきますが。

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