コラムバックナンバー
メールマガジン2012年12月4日号より a2i代表 大内 範行
「最適化」という言葉をマーケティング用語では時々使います。本来の意味は、最適なパフォーマンスを得る、という意味ですが、不器用な翻訳言葉で、使うたびに今でも違和感があります。
しかし、違和感がある一方で、僕自身はこの言葉をよく使います。その理由は、僕なりにもう一歩踏み込んで、この言葉を定義しているからです。
「(供給側の目的を)ユーザー側の思考や行動に一致させ高いパフォーマンスを得る」
最適化の肝は、ユーザーに対する最適化だと考えています。
ウェブでは、サイトを訪問しているお客様が見えません。ユーザー行動を追求するのはとても難しいので、供給側の考えとは必ず大きなギャップが生じます。そのため実際にユーザーに対して最適化が達成できると、とても高いパフォーマンスが得られます。そして、僕が持っている先入観、思い込み、常識を覆します。
例えば、トップページの「フラッシュ」アニメーションは、ユーザーのクリック率が低い。その当時、僕が何社か分析を進める上で得ていた常識でした。
しかし、ある担当者は実際にクリック率が低い、という僕が提示するデータを目にして、そこで止まらずに、デザイナーと一緒に、クリック率を高める努力を行ないました。その後、フラッシュの最適化に取り組んで、高いクリック率とそこから誘導される高いコンバージョンを達成しました。
実は「フラッシュ」というツールそのものに、低いクリック率の原因はありませんでした。本当の原因は、発注側もデザイナーも、映画のオープニングのような「作品」を求め、「ユーザーが椅子に座ってじっと作品を見てくれる」と考えていたことにありました。
最近の僕の思い込みの一つは、「スマートフォンはコンバージョン率が低い」という事です。そのようなデータを散々見てきたため、半ばこれが僕の常識になりつつありました。
しかし、市嶋さんから、スマートフォンで、PCよりも高いパフォーマンスを達成しているお客様がいますよ、と教えられ、スマフォサイトも、最適化すれば高いパフォーマンスが得られることを知りました。
多くのケースでは、スマートフォンサイトを、携帯サイトの延長として扱っていたり、PCサイトの付け足しのように扱っていたために、思ったようなパフォーマンスが得られていなかった、ということだったのです。
来年2013年は、PCよりもパフォーマンスの高いスマートフォンサイトの事例が、いくつも登場しているでしょう。
「最適化」この言葉は、不器用で肌触りの悪い言葉ですが、僕自身は好きな言葉の一つです。目指すべき最適化が、ユーザー中心である限りは、という条件がつきますが。
2025/01/30(木)
オンラインセミナー「JADE presents:GA4と「Amethyst」でここまでできるユーザー分析」|2025/1/30(木)
「Googleアナリティクス 4(GA4)は見たいデータをなかなか見られない、使いにくい」という声をよく耳にします。また「ユーザー軸のツール …
2024/12/10(火)
オンラインセミナー「【GA4導入・活用術】事業会社と自社サービス担当者が語る!」|2024/12/10(火)
GA4を導入したいけれど、チーム内の理解を得られずに進められない、または導入はしたものの活用しきれていない――そんなお悩みはありませんか? …
2024/11/13(水)
オンラインセミナー「参加無料!超初心者向け!GA4にログインはできた。その次に何をすればいいかわからない人のためのセミナー。サイト改善の知恵袋付きです。」|2024/11/13(水)
GA4にログインしても何が何だかさっぱりわからないことは多いですよね。でも、Webサイトのことは知りたいし、できれば改善点も知りたい…。そん …
【コラム】新しい生成AI検索サービス 効率的な答えが見つかることは本当に幸せか?
アナリティクスアソシエーション 大内 範行ChatGPT searchが、一部のユーザーにリリースされています。 私はTeamsプランで契約があるためChromeのデフォルトサーチに …
みなさんこんにちは。渋谷にある大学、日本経済大学で教員をしております、金谷武明と申します。以前はGoogleという会社でYouTubeで検索 …
衆議院選挙が終わりました。選挙のたびに開票の時刻と同時に当選確実が出る「出口調査」の予測が話題になります。 今回、開票と同時に出した主要メデ …