コラムバックナンバー
メールマガジン2012年11月27日号より 衣袋 宏美
数値データで、全体を一つの値に代表させる統計値として、加重平均値、最頻値、中央値などというものがあります。それぞれの統計値の説明は省きますが、アクセス解析では平均値くらいしか見たことはありません。
さて人のウェブ利用行動は、極端にバラつきがあります。例えば月間でまとめて集計すると、あるサイトでは、1訪問あたりの平均閲覧ページビュー数が5だというデータがあったとしても、実際は1ページビューの人もいれば、100ページビューの人もいます。
そのため私は平均値だけでなく、分布もたまに見ましょうという話をよくします。アクセス解析ツールで利用行動のバラつきをヒストグラム(度数分布図)で表示するものはあります。しかしこれでもユーザー理解は遠いでしょう。
私は昔、紙のアンケート調査などを多数やっていた経験があります。もちろん集計をして平均値などを算出するのは当たり前なのですが、実は大変重要なこととしてやっていたのは個票(アンケート回答用紙の一つ一つ)の確認です。
個票の確認には二つの役割があります。一つは不適切な回答の発見と、ユーザー理解です。後者に絞って話を続けます。
特に多くのアンケートでは、定量データだけでなく、自由意見を聞くような欄を作っておくのが普通です。この自由意見と回答者属性を見て、回答者の思いに少しでも近づこうとします。女性45歳の管理職の人はこんな回答をし、こんなことを思っているのかと。
アクセス解析でこの個票に当たる部分を見ようといっても、生データを全部見ろってことではありません。実は幾つかのツールは、個々人(匿名の)の閲覧ページの推移や過去からの履歴を見せてくれるものがあります。
しかし実際はこういった機能があるのに、殆ど使われていないのが現実ではないでしょうか。お店などの実店舗の接客の場面を考えれば、どういう行動をしているかを個々に見て対応を決めるはずです。
さっさと帰ってしまったユーザーは別にして、サイト内を熱心に閲覧した人の見たページを辿りながら、ユーザーの気持ちに思いを巡らしながら、それに対してサイトがきちんと対峙できているのか、じっくり考えてみるというのも如何でしょうか。
2025/11/18(火)
【大型イベント開催】a2i秋の広告祭 デジタル広告の役割を再設計しよう|2025/11/18(火)
a2i秋の広告祭 デジタル広告の役割を再設計しよう デジタル広告のこれからを半日で学ぶ!豪華11名のスペシャリストが集結! デジタル広告のテ …
2025/10/30(木)
オンラインセミナー「Microsoft Clarity×GA4横断分析で実現するサイト改善」|2025/10/30(木)
ヒートマップやセッションレコーディングを導入しているものの、「何を見ればよいのか分からない」「改善施策に繋がらない」と感じたことはありません …
2025/10/16(木)
オンラインセミナー「Cookieレス時代に取り組むべき攻めと守りの計測方法」|2025/10/16(木)
近年、AppleのITP(Intelligent Tracking Prevention)や各国のプライバシー規制強化により、従来のCook …
株式会社ナンバーの渋谷です。今回は「データ分析の民主化」が進む中で、その土台となる「データ整備」の重要性について考えてみたいと思います。 結 …
【コラム】広告の効果計測、誰を頼ればいいのか? ―混沌を乗り越える越境チーム作り
アナリティクスアソシエーション 大内 範行広告の計測まわりでふつふつと音を立てるマグマ溜まり 「最近の広告レポート、本当にこの数字に頼っていいのかが疑問なんです」 最近、こんな問いか …
【コラム】わからない・忙しい・お金がないをDMAICで解決する
運営堂 森野 誠之イントロ 小さな会社の支援をしていると、やることはわかっていても進まないことが本当に多いです。理由はほぼこの3つ。 わからない 忙しい お金 …