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アクセス解析を効果的に実施するために、「まず仮説から」と何度も言われてきました。では、その仮説とは何で、よい仮説とはどんな仮説なのでしょうか?
ウェブ解析で立てる「仮説」を一言で表現すると「改善につながるユーザー行動とその心理を明確に描くこと」だと言えるでしょう。
例えば、このランディングページで直帰が多いのは、メニューが見つけにくく、ユーザーが直感的に自分の欲しい物を見つけられないのではないか、とそんなふうに仮説を立てます。メニューの改善を行い、指標が改善されたかを検証します。


仮説の立て方について、固定的な方法論はありません。ただ、よい仮説には、一つ大切な条件があります。それは「仮説」が、チームで共有できていることです。

先日のスマートフォン講座で、事例を紹介していただいたマイナビの三森氏が、改善に取り組む時、仮説を立てて短期間でPDCAのプロセスを回す、というお話をしていました。その中で、「上司が思いつきで言った言葉もそのまま仮説として実行することもある」という趣旨のことを言っていました。
面白い話ですし、直感的にこれはよい方法だとも思いました。

「仮説」には、精緻な根拠や調査が必要という意見もあるでしょうが、そうとばかりは言えません。思いつき、何気ない一言、上司の言葉、チームにぐさっと響き、やってみる価値がある、という思いが共有されるなら、よい仮説だと言えます。
ウェブの改善プロセスは、チームでの取り組みです。チームが納得できる仮説であれば、それはよい仮説と言えるでしょうし、逆に、個人が多くの調査を重ねて導き出した仮説だとしても、チーム内で認識されていなければ、意味がありません。

もう一つの有効な仮説の立て方は、ユーザーテストを実施する方法です。「誰かの一言」とは対極で、きちんと時間をかけて調査を行います。
ウェブで立てる仮説は、常にユーザー行動とその心理です。ユーザーの行動そのものをチームで共有できるユーザーテストは非常に有効な方法です。

経験的には、関係者での話し合いや発言、そしてユーザーテスト、これに現状のデータ分析を重ねあわせていくとかなり精度が高くなります。
ただ、その時もチームが納得できていること、そして検証がきちんと実施できることが大事なポイントです。

上司の言葉を実行して、検証ができる組織であればそれは健全なチームと言えます。一方、検証をしなかったり、検証結果を無視しているようでは、ウェブビジネスを行う資格はありません。

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