コラムバックナンバー

異論はあると思いますが、現状把握としてKPIをモニタリングしていきたいという場合のKPI設計には、業界やビジネスモデルなどに応じて「汎用的な考え方やモデルタイプ」は、多少なりともあるかと思います。

一方で、「課題を発見し、それを改善する」という場合の分析には、なかなか汎用的な型がありません。


「集客がうまくいかない」「売れない、問い合わせが来ない」「CVRが低い、費用対効果が悪い」という悩みはおおむね共通しています。しかし、各社を取り巻く環境や組織文化、ビジネスの進め方、サイト構成、予算などは大きく異なります。KPI設計の際よりもはるかに複雑です。

Webビジネスの「改善」をお手伝いするとき、その企業ごとの「課題の本質にたどり着く旅」に出掛けることになります。

何度も読み返す本というのがあり、わたしにとって元博報堂の高橋宣行氏の書籍がその一つなのですが、彼の書籍に出てくる「プランニングの3分割法」が、どうやら「課題を発見しそれを改善する」際のわたしのスタイルになっているようです。先日読み返していて、それに気がつきました。

「プランニングの3分割法」はその名の通り、3つのステップに分かれます。

一つ目、「情報収集」。課題の本質の発見のための全体像の把握が目的です。時間と労力が許す限りの量を集めます。単にデータを集めるだけではなく、状況のヒアリングや環境要因といった部分もカバーします。

二つ目、「課題発見」。集めた情報を絞り込み、順位付けをし、企業様がとらえ切れていない本質の課題を選び出します。多くの要因が関係していることが多く、情報収集の際の量がこの課題発見の質やスピードを左右します。

三つ目、「課題解決」。見つけた課題を解決するためにどうすればよいのか、アイデアを広げていくステップです。ひとつの改善施策だけで解決することは稀です。複数の施策の組み合わせで、やっとインパクトのある結果が出てきます。そのために、アイデアを様々な軸で考えることになります。戦術、パターン、ターゲット層、コスト、時間、等々。

汎用的な考え方というよりも、あくまでスタイル、仕事の進め方です。結局は企業様ごとに、毎回異なる汗をかきながら情報収集をし、脳みそにまた別の汗をかきながら課題発見に取り組み、課題解決の案を練っています。

それでも、幅広い情報を集めた上で本質発見のために絞り込み、解決のために再びアイデアを広げていくというスタイルは、毎回同じだと感じます。

幅広く集めて絞り込み、そして解決のためにまた広げる。

いまのところ、「課題の本質にたどり着く旅」のわたしのスタイルは、このような感じです。完全に「たどり着く」ことはないかもしれませんが、そのときのその課題の本質に少しでも触れることができればと思っています。

★メールマガジンのバックナンバーはこちら

一つ前のページに戻る

a2i セミナー風景イメージ

あなたも参加しませんか?

「アナリティクス アソシエーション」は、アナリティクスに取り組む皆さまの活躍をサポートします。会員登録いただいた方には、セミナー・イベント情報や業界の関連ニュースをいち早くお届けしています。

セミナー・イベント予定

予定一覧へ

コラムバックナンバー

  • 【コラム】注目される統計的因果推論

    株式会社Rejoui 菅 由紀子
    発信元:メールマガジン2021年10月20日号より

    先日発表されたノーベル経済学賞の受賞者、デービッド・カード、ヨシュア・アングリスト、グイド・インベンスの3氏は「自然実験が知識の源泉となるこ …

  • 【コラム】計測できるものだけで都合良く評価していないか?

    株式会社真摯 いちしま 泰樹
    発信元:メールマガジン2021年10月13日号より

    ■「測定できなければ管理できないというのは間違いで、代償の大きい誤解だ」 誤って引用されるフレーズに「測定できなければ管理できない」というも …

  • 【コラム】ABテストの科学

    Option合同会社 柳井 隆道
    発信元:メールマガジン2021年10月6日号より

    ABテストをするとき 「施策AとBを比較した結果、施策AのほうがCVR(目的の指標)が高いので優れていると判断した」 そこで思考が終わってい …

バックナンバー一覧へ