コラムバックナンバー
メールマガジン2012年3月13日号より 衣袋 宏美
最近はアクセス解析のレポートを大量に作成することは少なくなってきましたが、定例のレポートを比較的多くこなしていた時も、あまりレポート作成の作業を自動化したことはありませんでした。
それには訳があります。まず前提としては、レポートのフォーマットが完全固定でなかったことが挙げられます。完全固定であれば、データの抽出作業から、エクセルでのマクロで基本となるグラフを作るところまで自動化して、アルバイトさんにでもパワポに整形してもらうといった流れ作業で、最終チェックとコメント書きくらいでいいでしょう。
ところが、実際はデータを落として見ると、ここは何だろうという箇所がいくつか出てきます。そこの部分は深堀していくことになります。で、レポート書きにとっては、そこが付加価値の出しどころな訳です。
こんなことが起きていて、原因はどうもこれらしい。これは素晴らしいので、別の応用ができないかとか、これはまずいことになっているので、今後こういうことのないようにしましょうとか、アドバイスができます。
そして、ツールを操作してデータやチャートをじかに見たり、データをダウンロードしたり、手を動かしてインプットとアウトプットを繰り返すことで、そのサイトの主要指標などは自然と頭の中に定着するのです。
感覚的な話で恐縮ですが、数字の羅列としか感じられなかったものが、実態を伴ったものとして感じることができるとでもいいましょうか。個人的にはその位の感覚の違いが生じます。
あと重要なのは、利用しているツールなどの環境にもよると思うのですが、データを自動的に引っ張ってくる時の仕様がコロコロ変化するようなツール側の不安定さがある場合や、毎回微妙にレポートの仕様変更がある定例レポートの場合です。
これらの場合はせっかくマクロを組んでも、そのプログラムは結果的にあまり繰り返し使えなくて、自分で作るにしても誰かにお願いするにしても徒労感がありますし、総時間で無駄になっている可能性もあります。
目的が省力化、省時間なのに、結果的にその目的を達成できないということです。定型部分が大量であれば、自動化して省力すべきですが、「自動化」の優劣を見極めてうまく活用したいものです。
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