コラムバックナンバー
メールマガジン2012年2月21日号より Cinci いちしま泰樹
個人的に興味深かった今週の記事はこちらでした。データの蓄積と仮説の立て方の非常におもしろい記事です。
エキナカの飲料自販機での売上をいかに伸ばしていったか、データの分析が鍵を握ったという内容の記事です。記事のストーリーとしては、ロケーションの見直しとPOSデータの分析が、大きな要素として扱われています。
記事の要点としては、このようなものでしょうか。
1) ホームでの飲料自販機のロケーションの見直し、テスティング
2) 電子マネー決済の利用増加に伴う、POSデータの分析
– 属性分析やネット調査データを、販促や商品開発へ活用
この記事の主題ではないかもしれませんが、「仮説の立て方」と「データの蓄積」が、成功につながった要素ではないかと感じます。「いかにして売上や収益につなげるか」「消費者にいかにニーズに合う商品を適切に届けるか」という大きな目的の柱があっての「データ蓄積」が、功を奏しています。
ここには2種類のデータがあると思います。現場を調査して能動的に得たデータと、環境の変化(電子マネー決済の利用増加)や技術発展(Suica会員の属性取得)で結果として得られたデータです。
前者の「現場を調査して能動的に得たデータ」は、自販機のロケーションと売上の関係から生まれた「仮説」が発端で蓄積されたデータです。データ蓄積に目的があって、テスティングを繰り返して出たその差異で検証し、ロケーションの改善などにつなげています。仮説ありきのデータです。
後者の「環境の変化や技術発展で結果として得られたデータ」は、POSの属性データです。「販促や商品開発改善に活用できるだろう」という、こちらはデータの蓄積があってこそ仮説が生まれるというデータになります。前者とは逆です。
エキナカ自販機の売上増には「売店の減少」といった環境要因もきっとあっただろうとは思うのですが、上記のどちらの「仮説」もビジネスとしての改善にうまくつなげることができたのは、「ビジネスの目的」から決して外れることなく、「改善」に向けた「分析」が行われたからではないでしょうか。
「いかにして売上や収益につなげるか」「消費者にいかにニーズに合う商品を適切に届けるか」という大きな目的から、要素を分解し、インパクトも考慮しながら「これをこうすれば購買につながるのではないか」などと仮説を立てていったのでしょう。それがデータありきのときもあり、仮説からデータ蓄積を始めるときもあった、そういう取り組みだったのではと想像します。
アクセス解析でも、「分析」の際には「仮説」が必要になります。仮説をどう組み立てるかには、経験や様々な領域の知識も必要になってきます。ただ、ビジネスの目的から決して外れないというのも、大きな要素になってきます。その仮説検証が生み出す結果は、ビジネスとしてインパクトを残さなければいけません。
調査し、テスティングし、データを蓄積する。仮説を立て、分析し、検証する。Webマーケティングの領域でも同じです。取り組みとして非常に参考になる記事でした。
2026/01/22(木)
オンラインセミナー「検索行動・消費者分析ツール「DS.INSIGHT」の最新機能と活用事例」|2026/1/22(木)
ツール研究会の3回目は、DS.INSIGHTがテーマです。 このセミナーは、どなたでも参加可能です。 一般の方の申込には、ライト会員(登録・ …
2025/12/03(水)
オンラインセミナー「GAの分析とモニタリングの適材適所ガイド― Looker Studio、探索、スプレッドシート、MCPサーバーの使い分け」|2025/12/3(水)
このセミナーでは、Google アナリティクス 4(GA4)のデータを効果的に活用するために、目的に応じた最適なレポート機能の選び方と使い分 …
2025/11/18(火)
【大型イベント開催】a2i秋の広告祭 デジタル広告の役割を再設計しよう|2025/11/18(火)
a2i秋の広告祭 デジタル広告の役割を再設計しよう デジタル広告のこれからを半日で学ぶ!豪華11名のスペシャリストが集結! デジタル広告のテ …
【コラム】AIの活用が進む今だからこそ、デジタルに依存しすぎない視点を
Yuwai株式会社 田中 広樹a2i秋の広告祭が終わりました。ご参加いただいた方、ご登壇いただいた方、会場の運営をいただいた方皆さまに感謝を述べたいと思います。ありがとう …
【コラム】AI自動化が進むマーケティングの未来 あなたはどう生きるか? a2i秋の広告祭の実感
アナリティクスアソシエーション 大内 範行a2i秋の広告祭が終わりました。 この「a2i秋の広告祭」は、「祭」と銘打った割には極めてマジメなイベントでした。 このイベントを構想して、 …
【コラム】Googleは変わっていく。私たちも変わっていく。
アナリティクスアソシエーション 大内 範行突然ですが、OpenAIがChatGPTをリリースした頃を覚えていますか? 話はOpenAIについてではなく、その頃のGoogleについてで …