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「改善」は、Webサイト周辺の事象だけで判断してはいけません。

Webサイトはビジネスの一部として機能していることが多いですから、ビジネス全体として、関係者を含めたチーム全体として、よい方向に向かわなければいけません。

「Webサイト経由のお問い合わせ件数を減らしたい」というご相談から始まる取り組みを、過去に何度か経験したことがあります。「コンバージョン率アップを」という声が派手に聞こえる中、不思議に感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、お話をお伺いするとごもっともな内容です。


「無駄なお問い合わせが多すぎる」「リードの質を上げたい」「営業がリストとして使えない」などなど。つまり、

・求めていないコンバージョンが多い
・コンバージョンの質が低い
・Webサイトで完結してほしいものが、工数のかかるフローに流れてくる

こういった理由などで、一部の成約までの営業フローに支障を来している、というケースです。商材の価格や種類のレンジが幅広い場合に起きたり、また関係者のコミュニケーションがうまくいっていなかった場合に起きているような印象があります。

商材のレンジが広いということはより多様な顧客層がいるということですから、それぞれが求めているニーズに合う商材の確実な提示、提供する情報の内容やレベルを考慮した上で、適切なランディングやユーザー動線の確保を設計していくことになります。

ただむやみに「コンバージョンにつなげて」という発想ではありません。顧客層によっては適切な情報提供で満足する場合もありますし、Webサイトで完結する商材はその誘導を、自社の営業担当がその後の対応をするべき商材の場合は別の誘導を、それぞれ考えなければいけません。

アクセス解析という側面だけで見れば、全体のコンバージョン数も減ってコンバージョン率も下がり、直帰率も高くなるという結果になる場合すらあります。しかし、ビジネスとして求めていた「適切なコンバージョンの獲得」が増加していれば、目的はひとまずその段階としては達成したことになります。もちろん次のステップとしては、それを増加していく体制を組織としてどう作っていくか、などとなるのでしょうけれども。

先週のトピックスで、これと同じようなケースの記事を拝見し、大きく頷いたものでした。

“営業”が現状抱えている課題は何か、把握できていますか?
─ BtoB Webマーケティング実践講座第1回(MarkeZine)

Webサイト周辺の事象だけで安易な課題解決を進めないこと、チーム全体やビジネス全体として課題の解決に取り組むこと。

アクセス解析は近視眼的になりがちです。「改善」を提供する側もそこまでの視点を持たなければいけませんし、Web担当者様も他部署のメンバーとの連携やコミュニケーションをしっかり図っていかなければいけないでしょう。

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