コラムバックナンバー
メールマガジン2011年10月11日号より Cinci いちしま泰樹
今日は、リアルタイムなアクセス解析について考えてみます。
アクセス解析ツールに対する要望として比較的よく挙がる「リアルタイムな分析機能」。その機能は、「ビジネスとしての必要性」があるのか、「興味関心として把握しておきたい」レベルなのか、取り組む際も導入する際も、しっかり考えておく必要があるでしょう。
リアルタイムな分析の利用シーンを考えてみます。
・今日開始したキャンペーンページの流入やコンバージョンの把握
・テレビCMや番組の反響の把握
・意図していない突発的な流入の把握
・ソーシャルメディア経由の流入の把握
・実装テストの計測確認
・今日公開したブログ記事のアクセスや波及状況の把握
みなさんのビジネスに置き換えたときに、「ビジネスとしての必要性」がありそうなのはどれでしょうか。
ビジネスによっては、その必要性はきっとあるでしょう。リアルタイムな分析に紐付く「リアルタイムな対応と改善」が取れる体制で、かつビジネス・インパクトが大きい場合は、ぜひ取り組んでほしいところです。
しかし、多くの場合は「興味関心」のレベルにすぎません。その分析を「いま」やるべきなのか、他のやるべきことと天秤に掛けていかなければなりません。ウェブ担当者様は多忙です。今日の状況の分析が明日のビジネスに大きく影響するのであればした方がよいですし、影響しないのであれば趣味として見るべきでしょう。大抵の場合、今日の状況を今日分析する必要はありません。
とはいえ、別の側面で効果を生む場合もあります。
「サイトの向こう側にユーザーがいる」ことを社のメンバーに実感してもらうには、リアルタイムな状況の可視化が、ひとつ有効だとも考えます。
たとえば、リアルタイムなサイトの状況が社内のどこかで中継されているとして、「検索キーワードを小脇に抱えた訪問者が立ちつくしている様子」が何度も繰り返されていると、そのうち「このシーン何度も見るね」と、これまでそんなこと言ったこともない人が自発的に改善を考え始めるかもしれません。
今年6月に開催された「アクセス解析サミット2011」でのVOYAGE GROUP(ECナビ)の春元氏のプレゼンテーションでは、メンバーの意識変化のきっかけのひとつとしてリアルタイムの解析を挙げていました。オンラインフィードバックツールのKampyleの利用事例だったかと思いますが、「ユーザーがいまそこにいる感覚」は、リアルタイムならではの特徴でしょう。
【レポート】アクセス解析サミット2011(後編)
各社アクセス解析ツールのリアルタイム分析機能は、その感覚を得るにはまだ十分ではないと思いますが、将来そういう活用もできると思います。
とはいえ、リアルタイムな分析がいまの自分たちのビジネスに必要なのかどうか、取り組む際も導入する際も、念頭に置かなければいけないでしょう。
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