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活動報告
開催日時 | 2022/11/16(水) |
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2022年11月16日に、オンラインセミナー「コンテンツに頼るしかない!?地方かつ小さな制作会社の生き残りかた」を開催しました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
レポート執筆
二村 勇輔
今回のセミナーは、企画担当の森野 誠之氏からの質問に対して、第一部は横山 裕美子氏(株式会社Cyber Cats)、第二部は稲田 エイジ氏(株式会社JBN)に回答いただきます。
A. コンテンツを作成しようと思ったのはウェブ集客の難しさを感じたから。集客の窓口を増やすためにコンテンツマーケティングを始めた。検索流入からのアクセスが多かったが、検索順位が下がった時に大変だという危機感があったため、新たな取組みとしてコンテンツマーケティングを始めた。
初めてコンテンツマーケティングの本を読んだ時に、みんなに喜んでもらえるようなマーケティング、すなわち、役に立つ情報を発信するという内容に共感し、コンテンツマーケティングはコミュニケーションの一つになれるのではないかと感じた。
最初に一歩踏み出したのは、ブログ記事の作成の着手からだった。
A. お客様の中にはSEOやHPに対して間違っている認識を持たれている方もいて、そのような方を想定して記事を書き進めてみた。ごくごく基本的なよく聞かれることをブログ記事にしていった。
最初は全く書けなかった。1,000文字にも満たないほどしか書けなく、下書きばかり溜まっていった。
A. 年数が経つにつれ問い合わせが増えてきた。
1年目は効果が出なかったが、コンテンツマーケティングは時間がかかるというのは認識していて、自分がやると決めたのでとにかく続けた。
記事を読んでもらった方は、成約率も高く、やりたいことも明確になっているため、質が高いお問い合わせ獲得につながっている。
A. コンテンツマーケティングが成功するためには、「危機感・習慣にする・改善する」
「危機感」
ずっと同じ方法で集客できるわけでもないし、次の施策や打ち手を考えていた。また、やり始めたらやりきりたいと思っていたので、とにかくやりきったから今につながる。
「習慣にする」
早い段階で習慣にするのが大事。書けない、効果が出ない状態が続いて気が滅入るが、芽が伸びないのではなく、地面の下で根っこを張っている状態が長く続いているイメージ。更新頻度を決めて、それだけは確実にやることにした。
記事のクオリティや量ではなく、書く習慣を作ることが大事。危機感があったから続いたが、自分の内なる動機から来るものが強いと思う。
「改善」
書き方もずっと同じ書き方だと飽きてしまうので、コンテンツの出し方やフォーマットを変えている。数値管理をしているわけではなく、反応を見ながら発信する内容を変えるほうに時間を使った。
―――
以上で第一部を終えます。
経営者として自分が危機感を感じて取り組んでいるため、すごく言葉に重みがあって伝わるセミナーでした。
A. これから始める方は、前半の横山氏の話をそのまま実行するのが良い。
集客の各フェーズでコンテンツが役割の一端を担っているため、コンテンツで成功させるというのは、フェーズごとにお客さまの課題に対して解決方法を提示し役に立つこと。
A. すぐには出ない。腰を据えて3年続けることが大事。第一部の横山氏の経営者としての姿勢は非常に正しい。
1年目は結果が出ないから、目標設定は成果を出すことではなく、やると決めたことをやり抜くことを成果と決める。KPIはコンスタントに記事をアップすること。そうして1年目にやったからこそ2年目以降につながる。
1年目は学びとスキルを得るための種まき。2年目はできることを拡張していく。2年目でも売上などの成果を求めるのは早いくらい。3年目はようやく勝ちパターンが見えてくるため、成果につながってくる。自社に合ったやり方が見つかるイメージ。
A. うまくいかないと言えるほどやっていない場合が多いからこそ、横山氏が言われていたようにやりきることが大事。また、活動量をしっかりと担保する。顧客に役に立つコンテンツを届ける必要があるが、それを評価するのは顧客。評価基準を自分に置くのではなく、顧客に置く。
とはいえ、コンテンツマーケティングにも相性があるので、技術系BtoBは相性がよく、製造系BtoBは戦略と試行錯誤が必要。
A. どこもたいてい下記3つの問題がある。
上記3つの課題はすぐに解決できる課題ではないので、最短で解決したいなら経営陣がコンテンツを書くのが一番良い。
経営陣が書く記事の内容を見て、社員もどのような記事を書けば良いのか理解できる。外部環境が変わって今までの評価基準や考え方では上手くいかなくなるので、会社の仕組みを変える必要がある。
A. ほとんどの企業は書けない(書く文化がない)ので、書くチャレンジから始める必要がある。
やりたい人を探す、権限を渡す、口を出さない。
これがコンテンツで成功するための3つの条件だが、すぐに解決する方法は、経営陣が自らやること。経営陣ができないなら、上記の3つを守って社員に託す。
書く文化がないなら、取材が得意な人や動画を撮るのが得意な人を探しても良い。取材したものや動画を文章にするハードルは低いので、コンテンツに対して社員が得意な領域を把握しておくのも良い。コンテンツ=文章ではない。
―――
以上で第二部が終わります。
コンテンツマーケティングと企業の相性の話など、稲田氏の経験から来るお話だからこその納得感がありました。
質疑応答に移ります。
A.
横山氏)
週に1記事書く。しっかり時間かけて書く。
テーマ決め:20分
書く内容:30分
記事執筆:2,000文字程度なら1時間30分、8,000文字程度なら5時間ほど
稲田氏)
その会社の勝ちパターンにもよる。30分もかけない場合もあるが、その人に合ったやり方や時間があるため、遅くても早くても評価してあげるのが良い。
A.
横山氏)
これは今の課題。善意でやってもらっているので、新しく書いてもらえる人のために考えている。
稲田氏)
うまくいった事例は一つもないが、絶対に必要だとは思っている。一番やってはいけないのは、善意でやってもらっているのにその人が忙しくなるにつれ負担が増え、他の仕事のほうが仕事として認められているがゆえに、コンテンツ作成は好きでやっているんでしょと見られる状況。仕事として認めて評価して報酬を出すことが大事だと思う。
A.
稲田氏)
大事にしているのは、ウェブの担当者と上長が社内を見ているのか社外を見ているのか。社外(顧客)より社内(特に経営陣)を気にする企業なら、短期のWeb活用で成果を出すのは難しい。顧客を見る文化が根付いている企業の方がWeb活用に向いている。とはいえ、Web活用は事業推進のための手段のひとつでしかない。自社の文化や社風に適した手段を検討するのが良いと考えている。
―――
以上の質疑応答をもって、本セミナーは終了しました。
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。
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