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活動報告
開催日時 | 2022/04/21(木) |
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会場 | オンラインセミナー |
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2022年4月21日に、オンラインセミナー「GA4、導入後の設定と「ユーザー軸」分析」を開催し、株式会社プリンシプルのRay氏と木田 和廣氏にお話しいただきました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
レポート執筆
二村 勇輔
株式会社プリンシプル Ray氏
第一部のゴールは、以下の2点です。
1.GA4 に移行すべき項目
2.移行時に覚えておきたいポイント
はじめにGA4の基礎知識について説明があり、イベント、ユーザープロパティ、ディメンション・指標などについて丁寧にお話が進みます。ディメンション・指標は次の第二部の講演内容にも繋がります。
次に、アナリティクスアソシエーションのサイト(本サイト)を例に、UAからGA4へ移行する場合の設計について話が移ります。
実際のサイトをもとに説明されるため、対応内容に具体性があり、非常に理解しやすい内容です。
紹介された内容は以下の通りです。
① UA の設定の中から移行したい設定を全て書き出す
②自動収集イベントと照らし合わせる
③カスタムイベントを整理する
④ユーザープロパティを定義する
⑤クロスドメインを定義する
⑥参照元除外を定義する
⑦ IP アドレス除外を定義する
⑧データの保持期間を定義する
⑨ボット除外は自動で行われる
上記の流れに沿って、各項目を具体的にお話しいただきます。
一通りの話が終わった後に、本サイトのUA設定例をGA4に置き換えたときの各設定内容を紹介します。自動収集イベントはもちろん、カスタムイベントやイベントパラメータが参考になった方は多いのではないでしょうか。
最後にGA4の小ネタとして、簡易的なイベント設定であればGA4管理画面から設定可能なことやデフォルトチャネルグループのチェックについて触れ、講演が終わりました。
GA4に関する情報をたくさん発信されていらっしゃるRay氏らしい、細かく丁寧な講演でした。
株式会社プリンシプル 木田 和廣氏
第二部のゴールは、以下の2点です。
1.ユーザー軸分析とはどのようなものかを概念的に理解する
2.ユーザー軸の分析が具体的にどのような形で提供されるのかを理解する
木田氏のお話は一貫してユーザー(軸)に焦点が当たっていますが、ユーザー軸をゴールにおいたのは、GA4が正式になると発表された時に「顧客中心のデータを測定する。顧客のライフサイクル全体にわたって顧客情報をより詳しく確認できると公式ブログに書いている」ためだと言います。
セミナー参加者に持ち帰っていただきたいこととして、下記7つが紹介されました。
1.分析の基本形は、ディメンションと指標を組み合わせである
2.レポートを理解するとは、ディメンション、指標の定義を理解することである
3.指標には「元の指標」と「割り算の指標」がある
4.ディメンションが「ユーザー軸」だと、レポートは「ユーザー軸」になる
5.「ユーザー軸」の施策の評価は、ユーザー単位CVRで行う
6.「最初のユーザーのメディア」は、どんなメディアからユーザーの初回訪問を獲得すれば効率よくコンバージョンを得ることができるかについての示唆を与えてくれる
7.探索配下で「ユーザーセグメント」を作成すると、ユーザーの振る舞いをディメンションとして利用でき、ユーザーを知ることになる
中でも5の、ユーザー軸の施策評価に対して、ユーザー単位CVRを使用する点について非常に興味深く、従来のセッション単位CVRとは異なる結果が生じるのはマーケティング担当者必見ではないでしょうか。
※ユーザー単位CVR=CVしたユーザー数/ユーザー数
木田氏の第二部は、全体を通じて、GA4の説明をしつつもユーザーに焦点を当てた分析のお話であるため、幅広い方が参考になるのではないかと思います。
また、セミナーに慣れていらっしゃるため、初心者でも非常に理解しやすい説明でした。
以上の講演が終わった後に、恒例のQ&Aタイムへと移ります。
大幅に時間延長するほどお二人に大量の質問が寄せられたため、ここでは質問を抜粋してご紹介します。
Q&A
Q1.既存UAと新規GA4を同時にトラッキングすることは問題ないでしょうか?
A.問題ない。
それぞれ運用していき、最終的に移行が終了する6月末までにUAを削除し、GA4一本にすれば大丈夫。
Q2.デフォルトで設定されている「イベントの変更」を行うことができると思うのですが、イベントの書き換えによるリスクを教えていただくことは可能でしょうか?
A.UAで言うビューフィルタと同じことだと思う。
IPアドレスの除外もできれば、そのビューに含めるページパスの除外などもできたが、UAの時にこれらを設定したらすぐに反映され、もしも間違って指定した場合にはその間のデータは取り戻せない(間違ったデータが収集される)。
GA4のイベントも同じで、今後収集するデータに対して取り返しがつかない。そのため、あまりイベントの変更は使わない。
検証用のプロパティがあるなら良いが、本番データであれば、新規のイベント作成をおすすめする。
Q3.GA4ではイベント作成で正規表現が使えないようですが、その場合はどのようにすればよろしいでしょうか?
A.諦めてGTMを使うと良いと思う。
GTM側では比較的柔軟に設定できる。
Q4.GA4はイベントが中心ではなく、ユーザーが中心と考えたほうがよろしいでしょうか?
A.データを取得(収集)するのとレポートを見る(利用)の2つがある。
収集・格納はイベントベース、レポートはユーザーベースが向いている。イベントは最小単位、ユーザーは一番大きい単位になる。
セミナー中にイベントを軸にユーザーセグメントを作成したのが良い例で、イベントとユーザーを分けて考えるとうまくいく。
Q5木田氏がExcelで作られた表の中に「1ユーザーの価値」という指標がありましたが、これはどのような計算式で算出されたものでしょうか?
A.計算式は以下の通り。
eコマースの収益÷ユーザー数=1ユーザーの価値
eコマースの収益÷合計購入者数=平均ユーザー単価
木田氏が独自に作った式であるため、GA4に実装されているわけではない。
以上のような質問に回答し、今回のセミナーを終えました。
ご登壇いただきましたRay氏、木田氏を始め、ご参加いただきましたみなさま、ありがとうございました。
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