活動報告

開催日時 2021/03/11(木)
会場 オンラインセミナー

2021年3月11日に、オンラインセミナー「地方かつ1人で頑張るweb担当者さんの成功事例」を開催いたしました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

過去a2iで開催してきたテーマとは少し異なる切り口で開催されました。
大手企業でも、首都圏にある支援サイドの企業でもなく、「地方かつ1人で頑張るweb担当者さんの成功事例」として事業会社側からの講演になるため、とても貴重な機会だったのではないでしょうか。

レポート執筆
二村 勇輔

第一部:米屋の店主が5年で自社ECの売上を30倍に伸ばした理由

古谷 雷太 氏(お米のフルヤ)

Webサイトに関しての知識を全くお持ちではなかった古谷氏が、どのようにしてWeb集客を成功させたのか、詳しくお話いただきました。

お話は5年前までさかのぼり、当時Webサイトを作ってくれていた業者さんが廃業したところから始まります。
危機感を覚えた古谷氏は、ひたすら検索してご自身で勉強したものの、最終的には指導してくれるコンサルタントを見つけ、Web集客のコンサルタントさんに月2回の面談を3年継続し、スマホサイト作成、コンテンツ作成、商品開発など、様々なアドバイスをもらいました。コンサルタントさんから言われた、「売上というのは、集客×成約率。沢山の人に集まってもらって、お米のフルヤさんじゃないとだめなサービスを提供していればOK」が大きな指針になったと言います。

このような背景で、次の取り組み内容に話が進みます。

●サイト改修(スマホサイト構築&コンテンツ作成)
当時、ライバル企業はほとんどスマホサイトを持っていなかったため、スマホサイトを作成したら少しずつ集客が増え、それに伴い月間売上が上がっていきました。

また、お客様が何を望んでいるのか、どんな悩みを抱えているのか全くわからなかったため、注文メールや感想メールなどをもとに、改善しました。サイトの中で悩みを解決できていないため、サイト内で解決できるように工夫もしました。お客様のご要望はサイトのコンテンツを更新したり、よくある質問等で回答しました。

●商品開発
自社サイトからの売上が伸びてきた時、サイト改修だけではなく、商品開発にも着手しました。
「赤ちゃんの体重米」1本だったものを、「すくすく米」を開発することで、発注者側では体重米だけだと若干安くなってしまった出産祝いのお返しを相場金額で送れること、受け取り側は体重米+すくすく米で生まれた時と1ヶ月成長した体重を実感できること、古谷氏としては、発注単価の増額につながることにより、三方良しが実現できました。
このアイデアはお客様の声から生まれたそうです。

また、引っ越しギフトや結婚式のお米プチギフトも開発されましたが、これらのアイデアもお客様の声と社員さんの発案です。サイト改修だけでなく、商品開発にもお客様の声が活きています。
なお、注文方法はネットだけではなく電話も受け付けたり、決済方法は代引きが多いなど、
お客様のご要望を元に商品到着までのプロセスも工夫しています。

●専門家(フリーランス)のアサイン
SEOやリスティング広告などの施策に伴い、各分野のスキルを持っている専門家(フリーランス)に依頼しましたが、サイト運用において、フリーランスと属人性がキーワードです。
「属人化されていない」というワードは否定的な文脈で使われがちですが、インターネットは属人化の塊であるため、各分野の専門家に相談できる体制を整えているとのことです。
こういった専門家はクラウドソーシングで探して、実際に会ったり仕事をお願いしてみて、良い人を見つけていきます。

最後に古谷氏から良いサイトは、

  • ユーザーの悩みや問題点を解決できるか
  • わたしのためのサイトだと思っていただけるか
  • サイト更新、商品開発は、お客様の声にある

と紹介し、講演を終えます。

恒例のQ&Aが設けられましたが、講演途中に大内氏と森野氏から質問が入るほど、企画者側も非常に興味深い内容でした。

大内氏) 商品開発するお米屋さんは少ないように思いますが、いかがでしょうか?
古谷氏) 米の自由化で薬局やコンビニでも売るようになり、これで大変になると予想したため、お米のギフトを立ち上げるに至りました。

森野氏) フリーランスなど専門家の人でも失敗はあるのか?
古谷氏) 過去に失敗した人もいますが、今は選抜した人が残っています。実際は依頼してみないとわからなりません。

森野氏) 3年間続くコンサルは長いのではないか?
古谷氏) けっこう長い間続いたけれど、ネタ切れなどはなく、やることが毎回ありました。いろんなことを教えていただきました。

以下、参加者からのQ&A(一部抜粋)です。
Q.社員を雇ってSEO等を考えることはなかったのでしょうか?
A.それも考えたが、最初からネット専門でやっている人に依頼したほうが早いと思ったので、検索して見つけた人にお願いしました。

Q.コンテンツの更新頻度と内容について
A.サイトコンテンツの中で悩みが解決できているからか、最近はお客さんから質問が減ってきました。時々コアなものが来るので、その時に更新します。
コンテンツマーケティングでは1日1記事アップしなきゃいけないとか言われますが、今は注文に応えるほうが大変なので、更新はそこまでしません。コンテンツはお客様の声が特に大事です。

Q.お客様の声(クレーム)も改善に活かされているのか?
A.大きなクレームがほぼありません。
お客様からお礼のメールが来ることはあり、生の声をサイトにアップしています。

第二部:営業経験、web経験ゼロから始めたBtoB製造業のwebマーケティング

久保 有希 氏(株式会社エドランド工業)

はじめに、久保氏は会社概要として、創業約100年の切る機械の刃物を製造するメーカーで、衣食住にわたる40年22,000種類の実績があると紹介します。
次に、講演のゴールについて、BtoBのWebマーケティングは特殊なのでは?というイメージをお持ちかもしれませんが、最初の1歩、次の1歩はBtoBも変わらないと思っていただくこと、と語ります。

久保氏が入社した当時、とある大手企業への発注が40%を占めている中、大量生産は減少傾向にあり、商社や大手刃物メーカーからの発注は少しずつ増加していたことから、新規営業に活路を見出しました。しかし営業部署がなかったため、久保氏自身で電話営業・展示会逆営業・商談会・既存顧客営業等の営業活動を行いました。

そんな中、2013年と14年に2つのセミナーを見つけました。
どちらも隣の県である愛知県(あいち産業振興機構)で開催されたものでした。

  • BtoBマーケティング
  • BtoBWebマスター養成講座

「ホームページを24時間365日働く最強の営業マンに育てよう」と、サイト作成に臨みました。
セミナーの中で、

  • 何の問題を解決してきたか?
  • あなたの会社が存続しえた物語は?

と聞かれ、会社の成り立ちや苦労話などを全然知らないことに気づき、色んな人にヒアリングしました。

主なヒアリング相手は、存命の退職者・社内の年長者・全顧客・社長・長年の取引先・地元の重鎮など様々な方です。中でもある大手刃物メーカーに強みをヒアリングしたところ、3週間という短納期だと言われ、自社で一貫して対応しているからこそ他社より短納期で実現できている、と気づきを得ました。これらをもとに機械刃物専門サイト制作を行ったことで、自社ならではの特徴を打ち出せました。

次にアナリティクス、SEO、広告配信等を学ぶために、同じくあいち産業振興機構が主催し、森野氏が担当しているセミナーに参加しました。参加後、広告配信に取り組みましたが、0⇒1(最初の1歩)はプロの力が必要であるものの、1⇒2(次の1歩)は自力でもできるのでは?と感じています。

森野氏のセミナーで学んだメルマガにも取り組み、展示会のお礼メールやステップメールに活用しました。ステップメールは、納品後1日、14日、28日、見積後7日などで配信することで、適切な時にフォローできる体制を構築しています。一般的なメルマガ(定期配信)にも取り組んだものの、かなり大変だった結果、メルマガスタンドを上記のように活用しています。

改善施策の最後はLPとヒートマップです。
LP制作のきっかけは、IT相談会(セキビズ)の無料コンサルに参加したこと。従来のCPAをもう少し安くできないか?と思ってもやもやしていたため、コロナ自粛で生まれた時間で昔からやってみたら効果が出ると思っていたLP制作へと進みました。

LPのキャッチコピーは展活(=展示会活用)セミナー(あいち産業振興機構)を通じて、数年前から展示会に参加することで練り上げており、そうして作成したLPをヒートマップで改善しました。この改善では、施策を数値化することで自信を持って改善でき、1人でやっているからこそ何かの根拠を持って取り組めることが良いのです。
また、この施策はコロナの影響により中止になった展示会の代替施策になりました。

最後に、「営業部署ってどこ?」⇒「ないぞ」のやり取りから始まったWebマーケティング。「24時間365日働く優秀な営業マン」という言葉に惹かれて取り組み始めましたが、かなり良い形になってきて、1⇒2 に関しては、自分の数字の強さや文章を書くスキルが活きたと考えています。ただ、BtoBセミナーに参加した企業10社で成果が出たのは数社だったという現実もあります。
皆さんも自分自身や会社、顧客の強みや個性を最大限引き出すやり方をしていただきたいと話して久保氏は講演を終えました。

以下、参加者からのQ&A(一部抜粋)です。

Q.ドメインや商標取得の社内調整などはどうされたのでしょうか?
A.公的機関の特許相談窓口に相談しましたが、自分で対応しました。ドメインも他の方に相談しながら自分で対応しました。

Q.ウェブサイトからの問い合わせが増えたことで、社内からの評価はありましたか?なにか変化はありましたか?
A.ものすごく大変でした。もともと大量生産だったところに、1つ2つの注文を受ける雰囲気ではなかったです。Webがどうのこうのではなく、仕事が来て喜んで現場に持っていったのに、忙しいんだけど…と言われるような感じです。
Webで大量生産を狙うのではなく、個のお客さんに焦点を当てたことが大きなポイントなのではと考えています。

Q.良い外部の人との出会いについて
A.クラウドソーシングで探すこともあります。しかし、あいち産業機構さんと繋がりを得たことが大きいです。こういったセミナーがきっかけになっていることが多いですが、セミナーがオンラインになっているので出会いが生まれにくいのでは?とも思っています。

一通り参加者からの質問に回答したあと、大内氏から森野氏へ質問がありました。
大内氏) 講演者お二人に共通している点は?
森野氏) 自分で考えて動く、いきなり答えを見つけようとしない、の2点かと思います。
お二人ともご自身でやる中でわからないことだけ、質問がきます。地方だと横並びで他の人がうまくいったことを入れると、自分で動いていないのでうまくいかないと思います。自分でじっくり考えてやっていることが成功の秘訣なのでは?

上記の内容に対し、古谷氏は、
答えがないから永遠に探し続ける。他社でうまくいった事例を取り入れてもうまくいきません。自分ならではのオリジナリティを出していく。そうすると面白いです。

久保氏は、
他社さんの成功事例を色々見ているうちに、うちにもいけそうと思うと、一気にいけると思います。しかし、自社に当てはめられないと身動きできません。

と言います。

自分で考えないといけない、というのは、もがき苦しんでいるうちに出会いのきっかけになったりするのでは?本気だからこそ伝わるのでは?
と大内氏の言葉で講演が終わりました。

出演講師

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