活動報告

開催日時 2019/08/27(火)
会場 東京 御茶ノ水

2019年8月27日にセミナー「プロスポーツチームのデジタルマーケティング最前線」が開催されました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

レポート執筆
菊原web解析事務所

第一部:54チームというクライアント数から見えてきたデジタルマーケティングメソッド

平地 大樹 氏(株式会社プラスクラス)

冒頭は平地氏の会社PSI(プラスクラス・スポーツ・インキュベーション株式会社)の紹介から始まります。
PSIは計54のスポーツチームのマーケティング、クリエイティブを支援しており、その中でバスケットボールチームが27チームと約半数を占めています。マーケティング予算の大きい野球業界にもここ数年で支援をする事が増えてきており、スポーツチームの経営層がウェブマーケティングの重要性に気付いてきている事がうかがえます。
スポーツチームを支援する際のCV(コンバージョン)はチケットの購入ですが、別会社(別サイト、ドメイン)の管理下になります。そのため、CVの定義はチケットサイトへの送客となります。

平地氏は「デジタルマーケティングはただのツール。重要なのはリアルを含めたイベントへの取り組みであり、中でも最も重要な要素は”試合”である」と断言します。

スポーツ業界のクライアントはその業界特性もあってか企画に対しては強い興味関心があります。ただ、それをターゲットと想定されるユーザーにどうやって届けるかにおいて課題を持っており、それを解決するのが平地氏自身の業務です。更にユーザーに届けることが出来たとしても、クリエイティブがマッチしていない事も少なくなく、以下の3つを連動する事が重要です。

  • 企画が土台
  • 届け方を工夫(様々なウェブ広告を活用)
  • クリエイティブの統一(企画と連動)

続いて具体的なスポーツチーム支援事例について説明がありました。Bリーグクラブの事例です。リーグ下位であったにも関わらず、集客数はリーグ上位に結果を残しました。「勝敗は集客の絶対条件ではない」と語ります。
その要因は以下です。

  • 企画をしっかりと考えたこと
  • 投資(web広告)を行ったこと
  • クリエイティブに注力したこと
  • 会場での演出もウェブのクリエイティブと統一したこと
  • 会場でしか楽しめないメリット(プレゼントや企画、グルメ、ゲスト出演など)もLPで訴求したこと

特にクリエイティブにおいては意図的に全ての媒体で同一キービジュアル、テイストで統一を行いました。

実際のセミナー会場では、平地氏が出稿した広告媒体の結果と獲得単価まで公開し、注目を集めました。
最後にスポーツ業界自体、ウェブプロモーションの歴史は浅く、アナリティクスの活用不足やPDCAが回っていない場合もあり、だからこそ今後の伸びしろは大きいと締めくくりました。

講演後には、スポーツリーグのCRM状況についてなど普段あまり聞くことの出来ない世界について数多くの質問に平地氏にお答えいただき、第一部の幕を閉じました。

第二部:対談 東京燕プロジェクトを始めとした「企画 × デジタルマーケティング」のススメ

片野 翔大 氏(株式会社ヤクルト球団)(左)、平地 大樹 氏(株式会社プラスクラス)(右)

ファンとのコミュニケーションを強化する目的で行ったユニフォームプレゼント企画について、平地氏とヤクルト球団の片野氏の対談が始まりました。

過去に来場経験のある人をターゲットとしてイベントを行った結果、売れ行きスピードUP、2DAYS開催のうち初日完売、ビジターに依存しない、7年間で過去2位の集客といった成果があったと片野氏は語ります。

デジタルマーケティングとして行なった施策の1つとしてメールマーケティングを挙げ、試合(イベント)の2週間前、前日、当日とそれぞれ訴求の異なるメールを作成し配信を行ったと言います。

片野 翔大 氏(株式会社ヤクルト球団)

結果として、チケットサイトへの誘導率は通常の190%、メールの開封率は30%強、メール内リンクのCTRは10%弱(直前メールは開封率56%、CTR24%)、来場者数は1試合平均26,332人となり、平地氏、片野氏共にメールマーケティングはスポーツ界にとって有効な手法と語る点が印象的でした。

二部においてもたくさんの質問が寄せられたため、質疑応答の時間を拡大し、第二部の幕を閉じました。

出演講師

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