コラムバックナンバー
メールマガジン2016年6月22日号より a2i代表 大内 範行
アナリティクスのツールはどんどん進化していて、分析できる指標やセグメントが増えて、10年前から見れば夢のような世界です。その一方で、やはり「データの食い違い」を見つけるために分析担当者は多くの時間を使っています。
「あれ、おかしいな」と思ったり「これおかしいんじゃないの?」と言われて、「そうですね。ちょっと調べてみますね」と始めると、いつの間にかデータの中に深く潜っていて、地上が遠くなってしまっています。窓の外の夜景をうらめしく思いながら「21世紀なのになんでこんなことしてるんだろう?」と言いたくなる時もあるでしょう。このコラムはそんな分析担当者の時間を少しでも削減したいと思いまとめています。
関連するリンク集も掲載していますのでご覧いただければ幸いです。
Google アナリティクスとAdobe Analyticsの指標やコンバージョンの値を合わせようとする努力も各所で見かけますが、残念ながら設計も計測の仕組みも違うので、ゴールが見えない冒険になってしまいます。2011年にGoogle アナリティクスとAdobe Analyticsがそれぞれセッションやユーザーの計測方法を変更し、それ以降、差が縮まったという声もありますが、やはり参照元の認識とコンバージョンのひも付け方など、超えられない溝が多くあります。ここは無理に追求しないほうがよいでしょう。
ネット広告のレポートの値と、Google アナリティクスの値が違うケースは多いのですが、最近、ここにGoogle Search Consoleも加わっています。これも違う仕組みのツールの比較なので、値は違ってきます。AdWordsやGoogle Search Console との違いはGoogle アナリティクスのヘルプでも提供されていますので、そちらが参考になるでしょう。これらは他の広告やアフィリエイトの場合にも参考になると思いますが、広告のケースによっては不正クリックの認識なども可能性に加える必要がありそうです。
Google アナリティクスという同じツール内でも歴史的な経緯や表示速度を早めるためなどもあり、見るレポートで矛盾して見えるデータが見つかることもあります。
一つ例を挙げると、Google アナリティクスで、URLごとのセッション数とページ別訪問数が違う、ことがあります。これは、セッションの印を、その開始ポイントであるランディングページにだけ付けているという特徴によるものです。
そして、最近はリファーラスパムについての報告が増えています。Google アナリティクスも本格的な対策をはじめて、bot-filtering の機能が管理画面に加わっていますが、そもそもリファーラスパムが何なのかも含めて、ブログなどの情報が参考になるでしょう。
こうしたデータの食い違いに関するヘルプは、実はかなり充実してきていますので、そちらが助けになるでしょう。棚卸し的にこの機会に目を通しておくとよいかもしれません。
一方で、データの食い違いは、それ以前の原因も多くあります。
– トラッキングコードの設定ミス(一部貼っていないなど)
– キャンペーン変数など広告などのタグの設定ミス
– AdWordsの自動タグ設定やアカウント連携のミス
– サンプリング
– フィルタ
– 直近のデータで反映時間の差がでる(最大2日ぐらい)
– そもそもトラフィックが少ない(上下動が大きく見えてしまう。表示できない指標があるなど)
最後に村上春樹風に一言添えておきたいと思います。
「完璧なデータなどといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね」
[ Google アナリティクスヘルプ ]
アナリティクスでのセッション数の算出方法
アナリティクスの AdWords クリック数、セッション数、ユーザー数、閲覧開始数、ページビュー数、ページ別訪問数の違い
Differences between AdWords Clicks and Analytics Sessions
カスタム レポートのユーザー数がセッション数より多くなる理由
Search Console とアナリティクスのデータの不一致
[ ブログのリソース ]
訪問の定義:サイトカタリスト vs Googleアナリティクス ≪実践★SiteCatalyst≫
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