コラムバックナンバー
メールマガジン2015年11月18日号より 真摯 いちしま泰樹
「このa2iのコラムでは特定ツールに限定した話題は避けよう」と心の中で勝手に決めていたのですが(そして驚くことに、かれこれ3年近くそれを維持していたのですが)、「Googleアナリティクスが10周年」というGoogleアナリティクスの公式ブログの記事を見かけたので、久しぶりに特定のツールの話題を書いてみます。その公式ブログの記事「Happy 10th Birthday, Google Analytics!」では、記事の筆者であるPaul Muret氏が個人的に選ぶ印象的な機能が10個挙がっています。Muret氏は役員ということもあり、やはり一般的なユーザーが挙げるような「10選」にはなっていないのですが、ふと「もし日本企業の一般的なWeb担当者が10個挙げるとすると、何を挙げるだろう?」と思いました。
例えばあなたなら、Googleアナリティクスで便利に利用している機能を10個挙げるとすると、何を挙げますか?
日々高度な取り組みを展開している企業は「先頭集団」ですから、Muret氏が挙げる「10選」と似てくるかもしれません。一方で、多くの一般的なWeb担当者が挙げる「10選」は、7~8年前のWeb担当者が挙げる「10選」とほとんど変わらないかもしれません。「標準レポートを5つほど、標準のセグメントのまま見る」というのが平均的な姿かもしれませんし、もしかすると10個も挙げられないかもしれません。
それは悪いことでも何でもないのですが、豊富な機能を理解したり活用したりすることは、分析やサイト運用の幅を広げるのも確かです。日々の運用の中の限られた時間を使って新しいことを理解していくのは難しいのを承知しつつも、どうすれば少しずつ前に進められるようになるか、支援する側からも常々考えています。
個人的には「セグメントを活用するかどうか」が、境界を分ける一つの大きな要素ではないかなと思います。
Googleアナリティクスは、「自社に有益なセグメント(ユーザーやセッションのグループ)を見つける」には非常に優秀なツールです。「コンバージョンに至ったセッションやユーザー」「特定ページを訪問起点としたモバイルの新規ユーザー」「より効果的だったキャンペーンとランディングページの組み合わせ」「ページAを閲覧し、後日ページBを閲覧したユーザー」など、思いつきのアイデアでも対応できる柔軟性を持っています。
「このセグメントは母数はまだ小さいかもしれないけれど、実はかなり貢献しているのではないか」「このセグメントとあのセグメントだと、どちらがいい状況なのだろう?」など、「仮説」をどれだけ思いつけるかが鍵を握ってくるのですが、抽出したり比較したり除外したりという試行錯誤の処理を難なくこなしてくれるのが、Googleアナリティクスです。私が一番頼っているのがその部分だったりします。
何か特徴的なセグメントが発見できれば、それが「次の施策」や「改善」の糸口になります。
いまでも「Googleアナリティクスの機能を十分に使いこなせていないのですが」という相談をいただきます。「機能を使いこなそう」と思っても手段が目的化してしまうので、なかなかうまくはいきません。
そうではなく、「こういう行動をするユーザーはどれぐらいいるのだろう」「こういうユーザーとこういうユーザーだと、どちらの状況がよいのだろう」といった思いつき(仮説)があれば、次はそれをどうやって抽出するかに軸足を移せます。そうすると、「それはどうやって設定すればよいのだろう」と目的を持って積極的なツール利用に向き合えます。もちろんこれは、Googleアナリティクス以外のツールでも当てはまる話です。
ツールの高度な利用をすることが分析ではありません。身の丈に合った利用を重ねて、段階を踏んで改善や成長をしていけばよいのです。もし「改めてもう少しツールを活用していこう」と思うのでしたら、あるいは周辺にそのような人がいらっしゃれば、「自社に有益なセグメントを見つける」ところから始めると、良いと思います。
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