コラムバックナンバー
メールマガジン2015年11月11日号より ALBERT 菅 由紀子
分析結果にかかわらず、何らかの資料作成が仕事の多くの時間を占めている、という方は多いのではないでしょうか。私もまだまだ勉強中の身ではありますが、今回は「良い分析結果報告書とはどのようなものか」ということについて、お話ししてみたいと思います。私が考える、良い分析結果報告書は下記が満たされているものです。
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1) 課題が整理されている
2) データ・変数・分析手法を選択した理由が明示してある
3) 課題に対する答えが明確である
4) 結論・要旨が初めに書いてある
5) 読み手・受け手の視点に立っている
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1) 課題が整理されている
アクセス解析・データ分析の多くは、分析することが目的ではなく何らかの課題を解決するために行われるものです。よって、分析を行う前に課題が整理されていなければ、どんな高度な分析手法を採用しようと意味がありません。以前、こちらのコラムで【データ分析を行う上で重要なこと=ロジカルシンキングを鍛えること】と寄稿いたしましたが、分析の目的や課題を事前に整理しておくことは分析のプロジェクトにおいて不可欠です。報告書では、解決しようとする課題について改めて提示することが望ましいです。
2)データ・変数・分析手法を選択した理由が明示してある
次に、分析に用いたデータについての概要、データの処理手順、どのようなアプローチをとったのか、なぜその変数や分析手法を選択したのかを明示することも必要です。データについては、使用したデータ、取得元、時系列データであればデータの期間など。基本統計量もあると望ましいです。分析手法については、手法の説明そのものも入っているとより望ましいかと思います(後述しますが受け手によりますので不要な場合もあります)。また、その分析手法を採用した場合に、どこに注目して判断すれば良いのかも説明できていると、より受け手にとって理解しやすい資料になるはずです。
3) 課題に対する答えが明確である
こちらは言うまでもありませんが、分析した結果から課題に対する答えを導き、分析者としての結論と、課題に対するアクションを提示します。そのために分析を行っているのですから当然ですが、結論は明確に、アクションは具体的であればあるほど良い報告書になります。
分析結果から、課題に対する答えが見いだせない場合はどうするか? ですが、そういった場合は「アプローチ方法・分析手法を変える」という結論になるはずです。どうしても結論を出さなければいけない場合はどうするか・・・ですが、この場合は明確に答えるとすれば「このアプローチ方法では見いだせなかった」とせざるを得ない、ということになります。
4) 結論・要旨が初めに書いてある
分析結果の結論・要旨(エグゼクティブサマリー)が冒頭にあることで、報告書で伝えたい要点がより論じやすくなるはずです。ただし、報告書のボリュームや、プレゼンテーションを伴うのかどうかで異なりますので必須ではありません。考察とともに最後にいれるケースもあるかと思いますので、その場合も冒頭には不要です。
5) 読み手・受け手の視点に立っている
私自身は、ここを最も重視して資料を作成しています。報告書を読む方々はどのような人たちなのか、その方々の業界、視点、リテラシーに応じた資料にすることで、結果を元にしたディスカッションも行いやすくなります。具体的には、 相手の用語で語る、 専門用語や業界用語には注釈を入れる、引用・参照元を明らかにする(あるいは別添資料を用意する)などといった対応です。
その他にも、数値の表記方法や見せ方など、気をつけるべき点は多くあります。また、資料作成を行う際に、どのようなアプローチを取るかでも内容は変わってきます。次回は、効率的に資料を作成する方法について、お話ししてみたいと思います。
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