コラムバックナンバー
メールマガジン2014年10月15日号より 石井 陽子
皆さんはビジネスを進める上で、周囲の人を説得したりするのにどんな分析を行っていますか?
時系列で見る、比較する、、、など様々な分析をしているかと思いますが、意思決定をする上で、ビジネス上でも最も使われやすいのは、『比較』ではないでしょうか。
なぜなら私たちは、普段の生活でも、ビジネスでも常に『選択』をしていて、選択できるということは、何かしらで比較をしているからできることだから。例えば、晩御飯の材料で使う肉の種類で悩んだとします。こうしたときにも予算や、直近で作った料理で使ったお肉はどちらだったか、などの軸から比較し、選択するという、一連の流れが自然と身についているので、比較という行為は分かりやすく、受け入れやすいのです。
分析をする立場から言うと、『比較』をうまく使いこなせば社内外の説得も非常に楽になります。是非使いこなせるようになりたい。
しかし、意思決定につながる比較をするというのは、実はとても難しいことなのです。使い方を間違えると色々な人を振り回したり、かえって信用を失ったりします。特に、競合や類似したものとの比較において、それが起こりやすい。
典型的な例を挙げます。
『競合A社はX製品群における売上額が去年と比べて3倍に増加している。当社は横ばいだ。何故か分析しろ。』
これはある会社のX製品群の責任者が競合A社のプレスリリースを見て、メンバーにお題を出したという想定です。(実際のところ、こんなことを言う責任者はどうなのか、という議論は置いておきます)
ここで責任者が注目している『売上額』というものは、会社の規模、その製品群に投資している額、売り方によっても大きく異なります。仮に、A社が多額の販管費を投じているとしたら、売上は増えて当然とも言えます。
他社の売り上げが何故多いかを調べても、あくまで推測でしかありませんし、規模感や前提の違うものは比べられない。ですが、『比較できません。無意味です』なんて言ったらサラリーマンはできません。
このような時にはどうしたらいいでしょうか。
ひとつは、比較できる別の指標に置き換えるという方法があります。例えば、営業利益率など。
営業利益率であれば、販管費や原価、人件費を加味した数値を出すことができます。営業利益率で比較してどうなのか、またそれを左右する要素で優っているところ、劣っているところはどうなのか、どこをどれぐらい改善すると良いのかを分析した方がよっぽど意味のあるものになるでしょう。
ちなみに、決算と決算の合間でA社にて事業の統合などが起きており、X製品群の数値が合算されているようなこともあります。そのような場合は決算レポートの数値に大きい変化が出てしまいますので、その点も注意が必要です。
もう一つの方法は、比較の単位を分けるという方法です。
仮にX製品群の主な生産拠点が、A社は国外、当社は国内にあり収益構造が異なるという根本的なところが違っている場合は、営業利益率で比較しても、コストの相場が違いますからずいぶん異なった数値になってしまいます。
そのような場合は、国内、国外に分けて比較するなど、比較の単位を分けることで比較可能になります。
こうした考え方は、定量的な比較だけではなく、サイトの使い勝手(ユーザビリティ)など、定性的な比較にも使える考え方ですので、分析に比較を用いる際、是非心がけてみてください。
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