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このところA/Bテストなどウェブテストの話題が、徐々にではありますが、増えてきていると感じています。
少し前までは、「緑のボタンがクリック率を上げる」など、若干首をかしげる内容の記事が目立っていましたが、最近は、記事の質も高くなっているのではないでしょうか?

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先週は、たまたまウェブテストに力を入れる3名の方にお話を聞く機会がありました。3名とも、ウェブテストは増えている、と感じているようです。
「いろいろ分析するよりも、テストしたほうが早いですからね」
その話の要点を僕なりにまとめます。

 – OptimizelyやGoogle アナリティクスなどテストツールが気軽に利用できるようになった(しかし、それは決定的な理由ではない)
 – テストケース作りなど含めてプロセスを外部事業者が助ける仕組みができてきた
 – 結果がはっきりするので事業主側も積極的
 – 予想したのとは違う結果が出ることも多い(そこも面白い)
 – 他社の成功事例を適用しテストしてもうまくいかない場合が多い
 – モバイルのサイトは特に有効(制作のベストプラクティスが確立していないため)

なるほど、なるほど。いい感じです。

私自身このアナリティクスの世界をずっと見てきましたが、日本ではウェブテストの事例が少なく、その点は頭を悩ますことの一つでした。海外からもその点は疑問の目で見られていました。なぜ日本はウェブテストを積極的に活用しないのか? その理由を説明していた時期さえあります。

 – 社内にマーケティングのスペシャリストや技術者がいないため、自分たちでテストができない
 – ウェブ制作を外部に委託していると、テストのために、予算化していない新たな時間と費用がかかる

状況は変わりました。従来のボトルネックが解消されつつあります。
そもそも、リニューアルなどサイトの大幅な変更は、費用と時間がかかる一方で、成果がでないこともあります。それに比べれば、テストを重ねて改善していくほうが、投資対効果が高いでしょう。
肉厚なサイト分析のレポートや改善提案を出しても、止まってしまうことが多いので、テストを実施したほうが成果を見せやすいというのもあるようです。時間を加味した投資対効果は、ウェブテストの方が高いと言えそうです。

外部委託に費用がかかるという理由も、制作会社側に変化が出てきています。ウェブ制作の運用費用の中にウェブテストを組み込んだり、継続的な運用の中にテストを組み込む形が出てきています。お客様の予算の中にテストを滑りこませる形です。
方法や場所も変わってきているように感じました。少し前までは、ウェブテストといえば、購買やお申し込みのプロセスの変更が主流でした。しかし、今はある程度フォームが改善されてきた環境もあり、購買プロセスのテストは改善効果が出にくくなっています。
むしろ、その前の段階、ランディングページからフォームまでの間のテストで効果を上げるケースが増えてきているようです。

お一人の方が言った意見が印象に残りました。
「テストは事前の準備に時間をかけるより、実施後の分析や話し合いをしたほうが効果的なのだと思います」
仮説は裏切られることも多い、また結果ははっきりした差が出ないことも多い。そのためテストケースの理由を作ったり、準備に時間をかけるのは得策ではない。
むしろ、結果を分析して、なぜ仮説がうまく機能しなかったのか、うまくいったケースの場合、その理由は何なのか?
その分析をすることで、ユーザー行動の理解が進み、チームの経験の質が高まっていく。

先週はこうした対話を通じて、ユーザー中心の考え方は着実に広がっているな、と実感することができました。「うちはまだテストを実施したことがないな」という事業者の皆さん、ウェブテストを、業務と予算に、しっかりと組み込む、そういう時期に来ていると思います。

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