コラムバックナンバー
メールマガジン2014年1月21日号より 真摯 いちしま泰樹
BtoCやBtoBに限らず、顧客獲得や受注や購入をひとつの成果(コンバージョン)としてとらえる多くのビジネスにとって、重要なのはコンバージョンだというのは一つそうなのですが、「顧客との関係性をどう構築していくか」という過程が、より一層重要な要素になっていると感じます。
単発の施策や広告で、すぐに積極的な購入動機が生まれたり良好な関係性が生まれるものではなくなったというのもあります。可処分時間の奪い合いの時代になり、顧客層が複数のデバイス、場面、接点を経るようにもなってきました。顧客層の興味も多様化し、セグメントしにくくなったという要素もあります。
アナリティクスの視点からは、その関係性の改善や次の施策の糸口を得るために、「関係性の構築」をどう評価し分析するかが、今後ますます求められてくるはずです。ソーシャルメディアでの取り組みや「インバウンドマーケティング」などのキーワードがにぎやかになったここ数年の流れを受けて、2014年以降のしばらくは、「顧客との関係性の構築」の評価の取り組みを本格化させる企業が増えてくるでしょう。
いわゆるアクセス解析の領域は、「Webサイト中心」「訪問単位」「複数のデバイス、チャネル、キャンペーンなどを横断した視点の欠落」などで、そういった視点ではなかなか取り組んできませんでした。予算面で取り組みに至らなかったのは仕方がありませんが、機能面ではそこにチャレンジできる前進がこの数年で見られ、スモールスタートでも取り組めるようになってきました。
とはいえ、従来どおりの視点で取り組んでも、課題は多いです。
【必要な視点】
・複数のデバイス、顧客接点にまたがる横断的な視点
・キャンペーン期間だけでなく、少し長い時間軸での視点
・より自社にふさわしい顧客層のグレード分け
例えば、広告を展開していれば、「その広告のレポート」といったチャネル別、さらにその中で「春の入会キャンペーンのレポート」というように、一つのチャネルやキャンペーンといった区切りの中で、かつ月次単位やそのキャンペーン期間を対象とした評価が従来だと中心だと思います。複数の接点やキャンペーンにまたがった視点、その後のキャンペーンでのアクションや関係性にどうつながっているかという長い時間軸での視点での評価は、あまりされていないように感じます。パートナー企業や代理店に広告の運用を依頼していれば、その傾向は少なからずあるでしょう。
一方で、そういったデバイスや接点を横断したり時間軸を加えた評価は、自社でデータを取りまとめて行う必要があります。中長期的な取り組みになり、「さあ、やりましょう」と簡単に進まないのも確かです。
しかし、これまでのキャンペーンや広告がうまくいかなくなった、費用対効果が悪くなったという声をより耳にするようになったのは、従来の評価手法が限界にきていることも一つの表れだと考えます。むずかしいではなく、そこに踏み込まなければいけない2014年なのだと思います。
新規の顧客として獲得していく層に対しては、いわゆるコンバージョンのポイントに近い部分から可視化していくのがよいのではないでしょうか。少しずつデータをつなげたり連携させ、ステップも少しずつ加えていきます。また、キャンペーン期間だけではなく、商材に合わせて数か月から1年といったタイムラインでユーザー層を追います。初めて自社や商材を知った層がいまコンバージョンの手前のどのポイントまで来ているのかの可視化を少しずつ進めていくのです。既存顧客との関係性を深める場合は、そこに顧客のグレードを一つずつ高めていくにはという視点が加わります。
これから着手するのであれば、分散したデータをできるだけ統合したり、俯瞰して判断できるような取り組みから始めると、拡張しやすくなるでしょう。
抽象的な話で、また取り組みも容易ではないというのも承知しています。SFA(営業支援)やCRM(顧客管理)をうまく活用や導入ができなかった経験の再来かもしれません。それでも、大きなマーケティングのうねりが感じられるいま、アナリティクスの領域ではそこにチャレンジしなければいけないのだろうと強く感じます。私自身も試行錯誤が続くでしょう。その支援を、a2iとしても私としても、積極的に取り組んでいければと思います。
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