コラムバックナンバー
メールマガジン2013年9月10日号より 真摯 いちしま泰樹
この週末をきっかけに、私たちは「7年後」を意識することになりました。
7年後にインターネットはどのようになっているのでしょうか。それぞれの人生設計ももちろんですが、私たちの「データの分析をビジネスに活用する」仕事はどうなっているでしょうか。
▼7〜8年前のアクセス解析とその後の進化
7年前の2006年は、ライブドア事件、ソフトバンクのボーダフォンの買収、GoogleのYouTubeの買収など、ビジネスの側面で大きな動きがあった年でした。ヤフーがディレクトリ検索中心からロボット検索中心に変更したのが、2005年秋です。
アクセス解析の領域では、2005年の方がエポックメイキングです。オムニチュアが日本で「SiteCatalyst」の販売を開始し、Googleが「Googleアナリティクス」の提供を開始したのが、8年前の2005年でした。アクセス解析ツールはもちろんそれ以前にもあり、2001年から2003年にかけて、RTmetrics、WebTrends、SiteTracker、Visionalistなどがサービスや日本販売を始めています。しかし、大きく普及したという意味では2006年以降になるでしょう。
最初はアクセスログの集計とデータの大小の提示に過ぎなかったツールも、ビジネスの成果(コンバージョン)を計測するようになり、間接効果の測定やダッシュボード的な表示、広告や他ツールとの連携が進みました。最近では視点は訪問からユーザへと移りつつあり、一方で個別項目のデータではなく、セグメントとして少し大きなグループで意識することが多くなりました。
スタートアップのスピード感ある成長を意識した「グロースハック」、他にも「ビッグデータ」「データサイエンティスト」というキーワードがすぐ隣でにぎやかになっています。
▼「世界観」が変わった。そして次の世界を作るのは間違いなく私たちだ
マーケティングとテクノロジーの進化とともに、7年間でここまで歩んできました。あわせて、関わる「世界観」がどんどん大きくなっています。
これはこの3〜4年、顕著に感じます。
7年後のインターネットはもう「インターネット」ではないでしょう。
「ウェブ」も同じです。物理的な空間として実世界との境はあっても、同じ「日常」の一手段になっているはずです。「アクセス解析」も言葉としては陳腐化して利用されていないでしょうし、「モバイル」というくくりすらどうなっているかわかりません。
データは根拠の一つとして必ず見なければならないものになっています(いまでももちろんそのはずです)。「分析」を少なからず扱うビジネスパーソンは、ビジネスに対しては柔軟なミクロとマクロの視点の切り替えがますます求められ、ユーザーに対してはよりプライバシーへの配慮が求められます。
未来は、マーケティングの側面でも自身を守る意味でも、より「データ」の重みが増します。その基盤や世界を作るのは、いままさに関わっている私たちです。誰かが何かをしてくれるというのではなく、7年後の未来のあり方を、中心人物の一人としてあなたや私が背負っています。
自身の成長として、よりミクロとマクロの視点を使い分けて「分析」をビジネスに生かし、一方でクライアントやユーザーに対してよりプライバシーを配慮していく。
「7年後はどうなっているでしょうか」と冒頭に書きましたが、その「どうなっているか」を作るのが私たちです。年齢だけは恐ろしくて考えたくないですが、文句や愚痴を言うのではなく、ワクワクしながら「世界」を作っていきませんか。
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