コラムバックナンバー
メールマガジン2012年12月11日号より 真摯 いちしま泰樹
2013年の話をします。
データをアクションにつなげる企業、データの分析とそこからの改善に取り組んでいる企業は、大きく二極化するのではないでしょうか。
一つ目は、「サイト」や「流入チャネル」を軸としてとらえて、サイト内の改善や流入チャネルの集客施策の改善に取り組む企業。一般的にとらえられている「アクセス解析」「広告効果測定」からの取り組みのイメージでしょうか。仮説を持ってデータを読み取り、各施策の改善につなげていくもの。
二つ目は、「人(顧客、ユーザー)」を軸としてとらえて、流入チャネルやサイト、お問い合わせから成約に至るまでのステップ、成約から優良顧客への関係性構築まで、マーケティング活動全体をとらえた上でそれぞれの段階をいかに良い状況にしていくか、人の一連の行動や態度を把握し施策に反映していくか、という部分に取り組む企業。これは2010年や2011年頃からの流れでしょうか。各方面から、アトリビューション、コンテンツマーケティング、インバウンドマーケティング、リードナーチャリングといった言葉が飛び交うようになりました。1回の「訪問」単位での効果や成果ではなく、「人」としてどのタイミングでどのように変化したのかを把握し改善する取り組みへのシフトです。
2011年、アドビ社はマーケティングプラットフォームとして各種ツール群を整備し、統合的な分析や把握の部分を強化しました。今年、グーグル社も統合的なデータ連携の方向性を打ち出しました。広告側からもマーケティングプラットフォームが多く登場し、広告媒体のデータ、アクセス解析データ、SFAやCRMとの連携強化が謳われ始めたのもこの数年です。
2010年頃までは、上記の「一つ目」の取り組み、つまりそれぞれの流入チャネル(集客施策)やサイト単位で状況を分析し、各々の施策の予算の範囲で適切に効果を生んでいるか、が主流だったと感じます(そのような中でも、Eコマースの分野では「顧客単位」の視点がしっかりあったと思います)。もちろんこの部分が今後なくなることはないでしょう。まだまだこの部分がなおざりになっている企業が多いのも事実です。
一方で、「効果が出ていないように見えるチャネルや施策も、長い視点で見ればこれまで把握できなかった効果を生んでいるはずだ」と、そこに科学的なアプローチをする企業が出てきます。また、ソーシャルメディアが活発になるにつれ、そこに対して積極的に取り組む企業も増えました。施策単体での評価や成果判断がむずかしいこともあり、自然とマーケティング活動全体における各施策の役割や効果、というような視点を持ち始めます。
上記の「二つ目」の取り組みに向かう企業です。
もちろんここには他にも様々な要素が関係しているはずですが、ユーザーが複数の端末を利用する「マルチデバイス」の促進も大きな要素です。自宅で、デスクトップ端末に取って代わる形でモバイル端末が多く利用され始めたのも、この1〜2年でした。ユーザーの行動がより多様化、細分化されてきました。
大きな予算を使って様々な施策を行っている企業にとっては、単体のサイト、単体の流入チャネル、単体の施策単位で分析しても、マーケティング活動全体が把握できない状態になってきたのです。本腰を入れて統合マーケティングの視点での把握の方向に舵を切り始めたのも、当然の流れです。
分析や効果測定という面では、より高度になってきます。ウェブやリアルを問わず、様々な領域の知識と経験が必要です。わたしたちは、これまで行っている分析や改善提案の枠から、一回りも二回りも大きくならなければなりません。
各施策ごとの改善だけでもまだまだできることは多いはずですが、2013年から先、小手先の技術や視点や改善だけでは何も変化が起きないような世界が待っているはずです。日々勉強です。
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